全国的にヴァレンタインということで。

1s

今日は全国的にヴァレンタインだそうですね。
写真はボケボケになっちゃいましたが、スイスの名門?トイスチャーのトリュフです。
このトリュフ、なんとあのドンペリが入ってるんでそうですわよ奥様。
実に分り易い成金、いえハイソぶりではござんせんか。
因みにこのトリュフ様、お値段6個で2100円。
チョー庶民の私にとりましてはチョー高級菓子にございました。

え?
これを誰に渡したのかって?
勿論自分用ですよ。自分用。
こんなたっけえチョコ、どーして誰かにくれてやらねばならんのですか。
買ってからというもの毎日一個、押し頂いてちびちびと齧っております。
あ、勿論母上には一個献上致しましたよ。
高級菓子、その他高級食べ物を我が家に持ち運ぶ際一部を母上に献上するは、古からの我が家のしきたりにございます故。
謂わば一種の関税にござりますな。

ときに余りにも有名な話ではありますが、ヴァレンタインの際、女性が男性に贈り物をするというのは日本の民族誌的奇習であるそうですな。
他の国では大抵、男性が意中の女性にプレゼントをするものなのだそうです。
毎年ニュースやらなんやらでそういう話を聞かされてはちっ、と思わなくもないですが、ま、恋する女子にしてみればこういうイヴェントがあるのは好都合なのでございましょうな。
私も昔恋する女子だった…ような…気もしますので(記憶に定かではありませんが)そこんところは分る…ような…気もします。(曖昧ですが)

でも、本邦にもホワイトデーというお返しの機会があるとはいえ、どっちかというとやはりこういった恋の先制攻撃は男子諸君に決めて頂きたいもんだという気もします。
そうでなくても、最近の若い殿方は草食やらなんやらでヘタレと聞きますしね。
最近の中国では、男性が女性にバラを贈るのが流行りだとか。
なんともロマンチックじゃござんせんか。
平素うじうじしているトムソンガゼルのような男子も、たまには一発ばしっとバラの花束でも贈って女子をめろめろにさせてみては如何でしょう。

あー、でも、私はバラの花束は遠慮します。
第一赤い色の花ってあんまり好きじゃないし。
万が一、私に何か告白したいという奇特な男子がおられましたらオー・ド・ヴィ、つまり命の水、つまりお酒なんぞ捧げて頂けましたらスーパーウェルカムですので御心にお留め置きくださいまし。

と、こんな嬉し恥ずかしるんるんイヴェントに縁のないおばちゃんは一人妄想を膨らませつつ、マイチョコを暮夜ちびちびと齧るのでありました。
あー楽しいなー、美味しいなー。
…強がってないよ。
ないってば。

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さよなら、懐かしい家。

そのフレンチレストランの存在を知ったのは、とある素敵なブログであった。

このブログで紹介されているお料理の数々は、いつも本当に美味しそうであった。
記事を拝読してはいつか行ってみたいなー、と思っていたが、立地が私の職場や家からは微妙に遠いこともあり、やっと訪れたのは昨年12月のことであった。
その時は丁度入手されていた蝦夷鹿のお料理を頂いたのであったが、間違いなく今まで食べた蝦夷鹿料理のなかでも群を抜いて素晴らしいものであった。
また、鹿そのものは勿論、付け合わせのマッシュポテトやらお野菜やらも悉く美味しく、一口食べては馬鹿の一つ覚えか壊れた玩具のように美味しいねー美味しいねーと呟いてはまた食べ、をひたすら繰り返したのであった。
ああ、こんな美味しいフレンチ、どうしてもっと早くに行かなかったのかしら。
あっという間にファンになった私、よし、これから月一はここに通うぞ!と決意したのであった。

このお店ではメールアドレスを登録しておくと、お勧めの食材が到来した際などにメールで知らせて頂ける。
初訪問のときに登録してからというもの、何日かに一回(それ以上のペースのときもあり)到着するいかにも美味しそうな食材ニュースを見てはうー、行きたいなあ…と涎を垂らしつつ(嘘ですよ)お店へと思いを馳せていたのであった。

そんなある日。
いつものようにメールが届いたので、ふむふむ今日は何かしら?とチェックしたところ、

「1月17日で閉店します」

との文字があった。

余りの衝撃に2度読み、3度読んだが当然内容は変わらない。
そ、そんな。
これから通おうと思ってたのに。
母も連れて行こうと思ってたのに。

まだ一度しか行っていないにもかかわらず、久しぶりにここは本当に美味しい!と思えたお店だったので、ショックはかなりものであった。
それより何より、どうしてもっと早く行っておかなかったんだろう、という自分の怠慢(?)さが悔しくて悔しくて仕方がなかった。

しかし幾ら悔やんでも時すでに遅し。
取り急ぎ、メールが来た日に早々に1月の予約を入れたのであった。

そして年が明けた某日。
私がこのお店を知ることになったブログ主さんが読者の皆さんに宛てて、最後に一度食事会をしませんか?と呼びかけておられたので、喜んで参加させて頂くことにした。
ブログ主様、そしてあのときお会いした皆様、その節はありがとうございました。

ブログ主様は、ブログで想像していた通りの素敵で知的なお姉さまであられた。
初対面のメンバーばかりの会をさらっとスマートに盛り上げる名ホステス様ぶりには、しみじみ、そしていたく感銘を受けた次第である。
私なんぞ、何百年かかってもかようなスマートなお方にはなれっこない。
憧れてます!
#ありがたいことに当駄ブログをご覧頂けているとのことでしたので、ここでこっそり(でもないですが)告白しておきます。

他のお二方もいかにも美味しいものを食べ慣れてらっしゃる風情で、お話も非常に面白かった。

とまれ、この日選んだお料理は以下の通りである。


1s

アミューズはキッシュ・ロレーヌ。
小さなサイズだけど、味が兎に角濃厚なので十分満足感がある。
文字通り「楽しませて」貰った。

3s


バターにタラモサラダ。
ここのタラモサラダは前回12月にも食したが、まったりと実に美味しい。

…でも、ここだけの話、いつもブログ主様のところで拝見している「リエット」が食べたかったのでちょっぴりがっかりしてしまったのは内緒である。
(内緒にしてないし)

4s

帆立貝柱と車海老のポワレ、サラダ仕立て。
この巨大な貝柱にご注目されたい。
これがまた実にふっかふかなのである。
#貝柱を指す形容詞としては可笑しいかもしれないが。
海老も海老臭さというものが全くなく、海老本来の美味しさが味わえる。

5s

平目のポワレ、白バターソース。
平目がおすすめです!とのことで頂いたのだが、正直特筆すべきものではなかったと思う
(ごめんなさい)
切り身の真ん中の部分はちょっとぱさついていてうーん?と思ったが、端っこのぱりっと焼けた部分は美味しかった。

という訳で身自体にはさほどどうという感想はもたなかったが、ソースはやはりしみじみ美味しいなあと思った。
列席者のお方は「懐かしいソース」という表現をしてらしたっけ。
確かに、フレンチの王道、醍醐味という感じのソースである。
私は日本におけるフレンチのトレンドというものがさっぱり分かっていないのだが、先達方のお話を聞くに、今はこういったトラデショナルなフレンチというものは流行らないのだそうな。
最近は「きれいでちょこちょこっとした」お料理が持て囃されているらしい。

そういえば、一時期巷で噂になった某シェフさんの名前がそのままレストラン名になったフレンチに行った際も、そんなお料理がでてきたように記憶する。
そのシェフはやたらカプチーノソースがお好きらしく、料理の悉くが泡泡としていたのが印象的であった。
一度目はカウンター席で某シェフご本人が料理をする姿を目の当たりにしながら食したのだが、彼は料理人であると同時に優れたパフォーマーで、客とコミュニケーションをしつつ楽しくほいほいと仕事をこなし、料理の味云々よりもそれを見るのが楽しかったように思う。
しかし二回目に訪れたとき彼はおらず、(元々そう感心しなかった)料理もサービスのレヴェルもがた落ちであったので以後再訪はしていない。

閑話休題。
次は本当に最後に訪れたときのお料理である。

8s

キッシュ・ロレーヌ再び。
この日のは端っこがちょっと焦げてたけど、それもまた御愛嬌。
やっぱ美味しいわ。

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タラモサラダ。
…やっぱりリエットは食べられなかった。

9s

前回の食事会の際、話題になっていたフォアグラのスモーク。

「え?金曜日にももう一度来られるの?
その時にはフォアグラのスモークできてるよー」

と前回の別れ際にシェフさんが仰っておられたので、前菜の1つめは有無を言わずこれに決定した。

フォアグラが甘い。
そしてほのかに苦い。
そして更にほのかに漂うスモークの香り。
いやー、或る意味「酒盗」よ、これは。
ワインがあっというまに消えていってしまう。
鴨のローストの旨さも言わずもがな。

10s

前菜二つ目はズワイ蟹ア・ラ・クレームのパイ包み焼き。
これまたたまらなく美味しかった。

11s

割ってみた。
早く食べたいんで焦ってピンぼけしているのは御愛嬌。
ソースにたっぷり絡めてぱりぱりのパイと蟹の身を頂く。
あー、またワインが目減りしちゃうじゃない。

12s

オマール海老と帆立貝柱のフリカッセ。
前回の訪問の際、敬愛するブログ主様に一口頂いてその余りの滋味に悶絶したので、今回は絶対頼むぜ!と満を持して(日本語ヘンですけど)頼んだ一品。
やー、やっぱ旨かった。
オマールも貝柱も勿論美味しいし最高なんだけど、やっぱソースが秀逸だ。
お腹もそろそろ膨れてきたはずなのに、フランスパンをお代わりして皿洗いの必要がないくらいぴっかぴかに平らげたのであった。
この日の相方が小食だったのは私にとって非常にラッキーであった。
感謝感謝。
(意地汚い奴)

13s

お料理の最後は仔羊骨付きロースのロースト、やさしいニンニク風味ソース。
これまた実に美味しかった。
(自分のボキャブラリーの貧困さに嫌気がさしてしまうけど)
羊(に限らず肉はおしなべて)はよく火通りがどうの、と論評されるけど、グルメに非ざる私にはそこんところがよく分っていない。
でも、この日食べた羊は私には本当に好みの味わいであった。
それでいいじゃないか。うん。
ソースの旨さは語るまでもない。

14s

デザートは滅多に頼まぬ私だが、この日はお願いすることにした。
これはバナナのキャラメリゼ、アイスクリーム添え。
いやあ、ほろにが甘旨とはこのことか、と感動した。
#今作った言葉ですが。
食後用に頼んだ極甘口の白ワインとの相性は絶妙。

15s


バゲットにゴルゴンゾーラを乗せ焼いたもの。
ゴルゴンゾーラって火を入れるとこんなに味わい深くなるものなのですね。
此方は蒸留系の食後酒との相性抜群。

これにてこの日のお料理は終了。
実に5時間近くも長居をしてしまった。
最後にシェフにお目にかかれなかったことは心残りだが、サービスの感じのいい女性に本当に美味しかったです、ありがとうと繰り返して店を出た。
これからのシェフ、そしてサービスさんの未来に幸多き事を祈っています。

そして、短い間だったけど、ここで本当に美味しいものを頂くことができたことを嬉しく思う。
さよなら、「懐かしい家」。

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初春の和菓子にございます。

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昨日、初売りの際鶴屋吉伸にて購入せり。
新春のデパ地下は食べ物福袋で溢れていたけれど、おばちゃん最近は量より質を求めたいお年頃なので、ちょいと奮発してお高い生和菓子を手に入れた次第である。

だというのに、ああそれなのに、この見るからに可愛らしいお菓子に爪楊枝をぶっすり突き刺し、やおらタコ焼きかなんかのようにあーんと一口で食べようとするバーバリアン家人一名ありにけり。
即ち怒鳴りつけ、ええい控えい控えい、ここにあらせられるは新春の生和菓子にあらせられるぞ。
このお方一個で、一体何個の御座候(関西圏では有名な回転焼にござりまする)や丹○屋のおはぎが購えると思っておるのか。
もっと敬意を表して食べるがよい、無礼者め。
と一喝せり。

とまあそれはさておき。
この菓子たち、なかなかに旨かった。
鶴屋吉伸は「生和菓子食べたいなあ」と思った時に予約とかなんとか面倒くさいことをせずにひょいと買うことができるので重宝している。
自ら余りお菓子の類を買わぬ私なのだが、こういった生和菓子は年に数回ふいと食べたくなり買ってしまう。
という訳で、今年も有難く?食べ始めさせて頂きました。
ご馳走様。

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黒いやっさー。

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お世辞にもビジュアル系とは言えぬ、見るからに華のないこのご飯。
名を「イカ墨じゅーしー」という。
つまりイカ墨を入れた沖縄風炊き込みご飯である。
ネギでも乗せればまだ絵になったのだろうが、私はネギ嫌いなので代わりに炒りゴマをふりかけてやった次第である。

沖縄のじゅーしーは、本土のものとは大きく具が異なる。
最も特筆すべき特徴は豚肉が使われていること、そして炊く際に油を投入することであろう。
よってじゅーしーは本土の炊き込みご飯よりもより脂っぽく、こってりしている。
他にはかまぼこ(沖縄ではご馳走の部類に属する)、椎茸、人参などを入れることが多いようだ。
今でこそ年中いつでも作られるが、昔は特別な行事や祝いの席でふるまわれるご馳走だったそうな。
謂わば、本土の餅のような存在であったらしい。

因みに、じゅーしーとは「雑炊」の意である。
雑炊といえば、我々ヤマトンチュはお汁たっぷりの「おじや」のようなものを想像するが、ウチナンチュはこのような炊き込みご飯様のものもおじや系の汁汁したものも同じく「じゅーしー」と呼びならわすらしい。
区別が必要な際には、前者を「クファ(固い)ジューシー」、後者を「ヤワラ(柔らかい)ジューシー」と言うそうな。
…って、この話、いつぞやこのブログで書きましたね。

とまれ、このイカ墨じゅーしー。
昨年、にっきゅっぱ(29800円)の激安沖縄ツアーに行って不味いものばかり食べさせられ辟易して帰ってきた過去のある(過去って)母は、かようなビジュアルの「沖縄風炊き込みご飯」にはいたく懐疑的であった。

「…なんか、いかにも不味そうねえ」

「そんなことないって。沖縄のじゅーしーは美味しいさー」←似非ウチナンチュ、またもや参上。

「だって、沖縄には美味しいものなんてないしねえ」

「それはでーじ失礼な言い草さー。
まあ百聞は一食に如かず、一度食べてみるさー」





「あら♪美味しいじゃない。
噛みしめると旨みがあるわ~」

「でしょでしょ??」

「これはこっちの炊き込みご飯の素より断然美味しいわね」

「でしょでしょ??じゅーしーは美味しいさー」

という訳で。
味にうるさい(というか、味に保守的な)母をもうならせたイカ墨じゅーしー、沖縄のお土産にお勧めです。
沖縄自動車道の最北IC、許田IC近くの「道の駅許田」に売っていましたよ。

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北方の珍味を喰らう。

昨日のお昼、こんな珍味を食べてみた。

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熊カレーにトドカレー。
去年、北海道に行ったときに戯れに買ってきたものだ。
土産物屋で、トドカレーの

「流氷と共にやってくるトドをカレーにしました」

という残酷なキャプションに恐れ慄いたことは記憶に新しいところである。

その後、この2つのカレーの存在をすっかり忘れていたのだが、先日パントリーを大整理していた際発見したので早速週末のランチとして頂くことにしたのであった。

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トドカレーに、

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熊カレー。

ビジュアル的には殆ど違いはないが、一応撮影してみた。
強いて言うならトド肉のほうが黒っぽいくらいのものである。

さて食した感想であるが…

・トドカレー

赤身系の魚肉っぽい味がした。
鯨にも近いかもしれない。
流石は流氷と共にやってきた海の幸だけのことはある。

・熊カレー

思った以上に獣くさくワイルド。
香辛料の効いたカレーとなって尚この癖を保つとは、元の肉は相当臭いと見た。
中国では筆舌に尽くし難いご馳走を「燕巣熊掌」なんて言うらしいけど、掌もまたこんなに獣臭いのかしらん。

私以外の家族は熊の獣臭に辟易したらしく、皆トドの方がよいといっていたが、私はどちらかというと熊の方が好みであった。
しかしどちらもかなりこってりしていたので、食して暫くは胃が重くて重くて仕方がなかった。
うーん。
リピはありませんね。
@コスメ風に)

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食べたくなるなる、地球の味。

それは昨日のこと。

夕飯時、母が突然こんな事を聞いてきた。

「ねえ。
冷やしたぬきそばって知ってる?」

「…へ?
なにそれ」

「なんかさあ、若田(光一)さんが地球に帰ったら食べたいんだって」

「へえ…聞いたことないわ。
やっぱ冷えたおあげさんがのっかってんのかなあ?」

「なんか、美味しそうじゃない?」

「ええ?そう?
冷えたおあげはちょっと好きでないかも…」

「いいや、美味しいかもよ。
いっぺん食べてみたいわあ…」

とまあ、話はそこで終るかと思いきや、その後も母は寝言か呪文のように

「冷やしたぬき食べたい食べたい食べたい」

と宣うので、何やしらん私もだんだん気になりだして、先ほどネットで調べてみた。

上記の通り、私はこのおそばを名前からしてたぬきそばの冷たいの、つまりおあげさんが乗 った冷たいそばのことだと思ったのだがどうやら違うらしい。
画像検索で写真を見てみると、そのルックスはまるで冷麺※のようだ。

※冷麺
ご存じ、冷した中華麺にキュウリ、ハム、トマト等をトッピングした一品。
全国的には「冷やし中華」というらしいが、関西圏では断然「冷麺」なのである。

トッピングもキュウリやハム等冷麺と共通するものが多いが、何といっても一番の特徴はおあげさんではなく揚げ玉が乗っていることであろう。
正直、冷たいところに揚げ玉乗せて美味しいの?と思ってしまうのだが…
母にも画像を見せたところ、同じところに拒否反応を起こしたらしく
「うーん…やっぱいいわ」
と言われてしまった。

ところで。
この冷やしたぬきそば、そんなにメジャーな食べ物なのだろうか。
少なくとも私は今まで一度もお目にかかったことはない。
調べる過程でこのそばの記事を書いているブログを幾つか見たが、その筆者の殆どが首都圏、そして北海道の方であった。

と、そんなことを調べているうちにとんでもないものに出くわした。

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ぬわんと、レトルトの冷やしたぬきそばである。
実際食べた方のブログを拝見すると、大変まずs興味深い完成画像が掲載されていた。
その方曰く、
「味は、まあ、予想通りです(笑)」
とのことで、まあ予想通りであられたのだろう。

このレトルト冷やしたぬきそばを製造している大黒食品は群馬の会社である。
とするとこのそば、やはり当初の予測通り関東以北でのみメジャーなのではあるまいか。

と思いきや、信州そばのメッカである長野や岐阜でもこの冷やしたぬき様、どうもメジャーであるらしい。
岐阜にはこのたぬきをウリにした「信州そば 更科」(ありがちなネーミングだが)なる名店も存在するようである。
更に調べていったところ、「たぬき」=「おあげさんをのせたそば」という概念もどうやら関西もん(西日本にまで広げていいのかは調査不足にて不明である)固有のものであるらしいということが判明した。
えー、嘘だよ。
だって「赤いきつね」(うどん)と「緑のたぬき」(そば)だよ。
…とよく考えてみたところ、緑のたぬきにはおあげさんが入っていなかったではないか!
ということに気づき、思わず狼狽してしまった。
(せんでも)

という訳で、慌ててwikipediaで「たぬきそば」を調べてみたところ、

「たぬきとは、麺料理の一種で、蕎麦やうどんに揚げ玉のみを乗せたものを「たぬきそば」「たぬきうどん」と呼ぶ」

のだそうで、やっぱりこっちが主流だったんだということに気づかされ、がっくり肩を落とした次第である。
(落とさんでも)
成程、確かにこのような揚げ玉たぬきがスタンダードであれば、必然的に「冷やしたぬき」もああいうトッピング、ビジュアルにもなりますわな。

とまれ。
なにはなくとも、昨日の若田さんの発言でこの冷やしたぬきそば、大ブレイクするのではあるまいか。
そこらへんのおそばやさんで
「冷やしたぬき、はじめました」
なんて札を見つけたら、懐疑的だが新しもの好きでうれしがりの私はついつい頼んでしまいそうである。

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花はどこへ行った?(これ分かるあなたは30代以降認定)

時は7月。
言わずと知れたセールシーズンである。
不肖、世の不景気なんとかし隊・隊長をもって任ずる私も勿論参戦した。
#この「なんとかし隊」とかいう類の世に蔓延る駄洒落ネーミング、大嫌いなんである。
##じゃあ使うなってか。

苟も、隊長を名乗るからには生半可な参戦は許されない。
故に不肖私、セール初日にわざわざ半休を取り戦いに挑んだ。
セールの鉄則はなんといっても初日に赴くべし、である。
稀に残り物に福ありということもあるが、元々の母体が少ないSサイズ市場で勝負せねばならないナノ人間達にとってはこの箴言は真ではないのである。

という訳で7月1日、午前9時半。
私は某御用達百貨店エレベーター乗り場付近の入口に並んでいた。
わざわざエレベーター側を選んだのは、事前の情報でセール初日と二日目のみはSサイズ会場が7階催物会場で行われることを知っていたからである。
そう、敵を知り己を知らば百戦危うからず。
セールでは、事前情報(敵)、及び自分がどこの何を手に入れたいのかをはっきりとさせておくこと(己)が必要不可欠なのである。

30分前にきた甲斐もあり、10時の開店時にはうまくエレベーターの第一陣に乗ることができた。
エレベーターに乗っている間は、


つーか、なんで2階行く奴がエレベーター使うねん。


とか、


つーか、入口付近の奴、降りる人がいんねんから一旦降りや。


とか、

つーか、ボタンの付近にいる奴、人が降りたらとっとと「閉める」ボタン押せや。


等と故・横山やすし師匠の如く柄の悪いスペシャルいらちと化したりしたが、じきに無事セール会場の7階に辿り着くことができた。
#余談だが、やすし師匠におかれましてはご生前エレベーターにお乗りの際、各階に止まるたびに狂ったように「閉める」ボタンを連打されていたのだそうな。
流石いらちの鏡。

で。
肝心のセールの成果なのだが。
一言で言うと、







花がなかったです










つまりでんな。

「わあ、これって一目惚れ♪」

という女子的ときめきを感じる買い物ができなかったということなのである。

買ったものはといえば、

「わあ、これは無難に着回せそう…」

というものばかり。
品数も例年に比して控えめであったし、開店前から臨んだにしては不完全燃焼の感は否めない。

でもまあ、花、つまり運命の出会いと呼べるものがないセールなんてざらだし、こういった場合にありがちな

「セール除外品が悉く花に見える~」

という更に恐ろしい罠に陥ることもなかったので、今回は賢い買い物ができた私偉い!ということで自分で自分を褒めることにしておきたい。

しかし。

これからのアンコールセール期間(これがまたずるずると長いんだ)、失われし幻の花を求めてあちらこちら彷徨い歩きそうな自分が怖い。
せいぜいこの時期、繁華街には近寄らないようにしようっと。
…てか私の通勤路、もろ梅田経由なのですけどね。
ああ怖い怖い。

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ソウルフードを作る。

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無駄にデジタル一眼で撮ってみたさー。

先日、楽天にてちょいとお高めのたこ焼き機を買った。
今までのものは一度に12個しか作れないし火力もいまいちだったので、たこ焼きの国の住民的にはどうも不満だったのである。

先週末届いたので、早速たこ焼きを盛大に焼いた。
「おっちゃん、おいしいの焼いたるからなー」
とか言いつつちょいちょいっと作ること80個。
大好評で焼けるそばから売れていき、あっという間に完売御礼と相成った。
おっちゃんは昼間っからビール片手に焼き立てをつまんでよい気分。
いやー、久しぶりに焼いたけど美味しいし楽しいわ。
また作ろう。

さて、私のたこ焼きレシピは以下のとおりである。
このレシピに若干のアレンジを加えた)

【材料】 小80~90個分

(生地)

・薄力粉 280g
(ケーキ用の上質のやつ。「バイオレット」などが好ましいそうな) 
・卵 4個
(粉70gにつき卵1個、らしい)
・水 1250cc
(粉1に対して水(出汁)4~4.5らしい)
・ほんだし 一袋
・煮干しだし(粉末) 適量
・ベーキングパウダー 5g
・クリープ 10g
(コーヒーフレッシュなどでも可)
・醤油 大匙2
・塩 少々
・砂糖 大匙1/2

(具)

・タコ
・ネギ
(嫌いだけどやはりたこ焼きには入れねば風味が出ない)
・紅ショウガ
・天かす
・干し海老

【作り方】

薄力粉にベーキングパウダー、クリープを混ぜる。
それ以外の材料もすべて混ぜる。
混ざったら、粉の中にダマにならぬよう少しずつ入れて溶いていく。
生地はかなり水っぽいが驚いてはならない。
放っておくとすぐに沈殿するので流し込む前には必ず底からかき混ぜること。

たこ焼き機に生地を流しいれるとすかさず具を投入。
順番は適当でOKだが、一番大きいタコは一番最初に入れておいた方が良い。
火力はきつめ。
表面が焼けてきたら竹串でくるっとひっくり返す。
このスキルで大阪人の素質のありなしが分かるといっても過言ではない。
#まあ、過言ですが。
はみ出た生地も一緒に丸めこんで、きれいな球体に仕上げたら焼きあがり。
ソースは普通のたこ焼きソースでよいけれど、蜂蜜を入れるとより美味しくなる。
青のり振って、お好みで鰹をかけたら出来上がりである。

このレシピのたこ焼きは、実に美味しい。
そこらへんの並みのたこ焼きが食べられなくなるほどだ。
関西人の方もそうでない方も一度お試しあれ。

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完璧な半熟茹で卵への道。(その2・応用編)

さて完璧なる半熟茹で卵、応用編である。

皆様はラーメン屋でラーメンを啜るとき、トッピングの「煮卵」の存在に感動したことはおありにならないだろうか。
味はよく染みているのに黄身がとろーり蕩ける、あれである。
今回はあの絶品煮卵をおうちで作ってみたいと思う。

用意するものは前回ご紹介した半熟茹で卵と以下の調味料である。

・濃い口醤油
・みりん
・酒
・砂糖
・だし醤油
・水

これらの調味料、そして水を適当に鍋にぶちこむ。
分量などは聞かないでほしい。
この調味料を見て、これ位の割合だったら卵のつけ汁に丁度いいかなーとあなたがお思いになる分量、それが正解なのだ。
そう、ここであなたの料理のセンスが問われるのである。
#そしてそれが故に、私は自分流の分量を公表したくないのである。
因みに私は、舐めてみて美味しいけどこりゃあ辛いなあ、と思う程度を目安にしている。
何か煮物の煮汁が残っていたらそれでも勿論OK。
適当に味を足して使うとより美味しい煮卵ができるであろう。

さて、つけ汁が一煮立ちしたら火を止める。
そして、よーく冷ます。
間違えてもあつあつのつけ汁の中に半熟卵を浸さないように注意されたい。
さもないと、折角絶妙に茹でた卵が煮えてしまうのだ。

さあ、つけ汁も丁度良い具合に冷めた。
ここに茹で卵を投入し、冷蔵庫にて保管する。
これで煮卵製作は終わり。
実に簡単である。

しかし、時間だけは頂戴したい。
この煮卵が食べられるようになるのは最低でも一昼夜後。
理想的には四日間ほど漬けておきたい。

こうして出来上がった煮卵は、元々旨かった茹で卵の数倍旨い。
青は藍より出でて藍より青し、ということはこのことかと感動すること間違いなしである。
#ちょっと違う。
そのまま食べてよし、ラーメンに入れてよし、お弁当にもよし。
(但しこれからの季節には保冷剤を入れておくなどの工夫は必要だろうが)
煮卵、本当に美味しいものである。おすすめ。

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完璧な半熟茹で卵への道。(その1・基本編)

茹で卵。

基本のキとも言うべきこの卵料理(いや、「料理」の名を冠するのも憚れるが)、これが意外と難しい。
ハードボイルドにするのなら話は簡単、適当に長時間茹でておけばよいが、白身ぷりりん、黄身とろりんの絶妙半熟を目指すとなればちょっとした注意と工夫が必要になる。

という訳で、今回は「それだけでご馳走!完璧半熟茹で卵」の作り方について考察したいと思う。

(材料・道具)

・卵
・水
・キッチンタイマー
・蓋つき鍋

(作り方)

まず卵は室温に戻しておく。
買ってきたばかりの卵ならまあ問題はないだろう。
冷蔵庫置きのものを使う場合は、今の季節ならば30分~1時間位放置しておけば十分かと思う。

かように用意した卵を鍋に並べ、たっぷりの水を入れ、水から茹ではじめる。
沸騰したら火を止め、蓋をして3分30秒蒸らす。
このとき必ずキッチンタイマーを合わせることを忘れずに。

蒸らした後は水道水できっかり3分冷やす。
このときもキッチンタイマーが必要なことは言うを俟たない。
しかし、真夏は水がぬるいので氷水を使う方がよいかもしれない。
その際は冷えすぎることを予想されるので、冷やし時間は2分30秒程に留めておく。

冷やした後は殻剥きである。
まず、すりこぎなどの棒で殻をまんべんなく叩き、全表面に細かなひび割れを生じさせる。
そして慎重に剥いていく。
最初は殻と薄皮を一緒に上手く取り去るのがポイントである。
さすれば、さほど苦労せずともある一定面積まではつるん、と剥けるであろう。
しかし調子に乗りすぎると白身までがっさり取れてしまうので要注意である。

さあ、殻むきも首尾よく終わった。
今あなたの手の中には初々しくも神々しく輝く白磁の如き茹で卵が恥ずかしげに収まっている、筈である。
それにおもむろに塩を振り(これは勿論美味しい塩であればあるほど望ましいが、まあそこまで求めてもキリがないので普通の食卓塩でいいでしょう)、がぶっと頂く。
ぷりっぷりの白身、そして半ば固まり、半ばとろっとした黄身の絶妙なハーモニー。
完璧な茹で具合の半熟玉子は、それだけで大ご馳走になりうるのだということをあなたは発見するであろう。

勿論、これだけでも十分美味なのだが、この境地にまで至ると更なる極みを目指したいと思うのが人の常である。
故に、この絶品茹で卵を使ってもう一つ簡単なご馳走を作ってみたいと思うのであるが…
それについては

 ま た 次 回

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