2012年初夏ぶらり沖縄(その7)

さてさて。

道の駅で色々買い食いしているうちに少し雨が小降りになってきたので再び出発することにした。
次に向かうはやちむんの里だ。

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とある工房の建物にお庭。趣深い。

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緑深い道。

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月桃の花。

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雨に相応しくかたつむり。

ここに工房を構える大嶺さんの作品が好きで二度ほど訪れているのだが(二度目は窯主お手ずから入れて下さった珈琲をご馳走になったっけ)、今回も雨そぼ降る中尋ねるとどこぞでイベントがあるらしく工房は閉まっていた。なんだか今日はとことんついてない。

しかしここでめげる私ではない。やちむんの里合同販売所で大嶺工房の新作らしき皿をゲットして一人にやりとほくそ笑む。
他にもええもんないかいなと棚の下を覗きこんだところ、彼女(彼?)と目が合い思わず「おひゃっ」と妙な声が出てしまった。

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彼女か彼かはこの店の看板娘(息子)らしく、以前お昼休み中にお店を訪れた際、入り口前で前足を揃え店番をなさっていたのをお見かけしたことがあった。
しかしそんなとこいてて大事なやちむん壊さないんでしょうかね。
ま、看板任されてるくらいだし大丈夫なんでしょうが。

その後はこれまた好きなガラス工芸家、稲峰氏の店を訪れお猪口を2客購入し散財してしまった罪悪感とええもん手に入れたで的満足感と共に里を後にした。

雨はどっと降ったり小雨になったりである。
まだまだ時間はあったので、残波岬前の公園で開催されていた手作り市に立ち寄ってみることにした。
車を停めて外に出ようとした瞬間再びバケツ大雨が降ってきた。一瞬躊躇ったが、えーいもうどうにでもなれと覚悟を決めて車を降りた。即ち濡れ鼠。
しかし店を開いている皆様に比べれば私はましである。皆さんテントの中できゅっと縮こまっておられて実に大変そうであった。

そんな中でも売り物を物色するのは実に楽しい。今回は天然の豆(当たり前だが)を用い三線を模った可愛らしいキーホルダーをゲットした。
後はマンゴーと何かのミックスジュースをゲットし一気飲み。んまかった。

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さてそろそろ時間もいい感じになってきたので空港方面に戻ることにした。

こ こ か ら ぐ ん ぐ ん 晴 れ て き ま し て ね

なんだかむかついたので、空港に一番近い島、瀬長島に立ち寄り暫し海と空と飛行機の眺めを楽しんだ。

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浜辺には緑の藻がたっぷり流れ着いており、バケツを持ったおばさんが一生懸命採取しておられた。

「これなんですか?アーサ(アオサ)ですか?」
「違うよー。これは食べられないんだよー」
「…(じゃあなんで採ってんの?と訝しげな顔をする私)」
「これはね、畑に捲いて肥料にするの。いい肥料になるよー」
「成る程!」
「ここいらにはこーんなに(おばさんの手のひら位)大きな貝もいるけどこれもやっぱり食べられないんだよ。食べられる貝とかアーサが採れるのはみーばるビーチ(南部のビーチ)だねえ」
「そうなんですね」

綺麗に見える瀬長島の海も汚染されているということか。
その後はこーんなに大きな貝を探してみたけれど見当たらず、小さな魚がうようよ泳いでいるのを眺めて過ごした。

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透明度は高いのにねえ

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夕日が美しかった

その後は糸満ファーマーズマーケットへ。
名物マグロの串カツを齧り、帰りの飛行機用のおつまみなどを買い込んだ後レンタカーを返し空港へ向かった。

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このあとすぐに売り切れてた

ここで、私と入れ替わりでこの日から沖縄入りしたすけさんからのメッセージが携帯に入っていることに気づく。
空港でラストオリオン(沖縄との別れを惜しんで飲むオリオンのこと。これ試験に出ます)付き合おうか?という有難い内容だったのだが時既に遅く着信は一時間前。
慌ててお電話するも既にすけさんは那覇に移動した後であった(当り前ですわな)
ううう、オリオン奢ってもらい損ねた。

仕方がないので空港にてゆし豆腐そばと共に一人でラストオリオンを呷った。
思えば今回の旅もよーけオリオンを飲んだものだ。

その後搭乗前にも勿論オリオン(缶)を買い込み飛行機内で一人宴会と洒落込んだ。(洒落てねえ)
関空到着は10時半。なんとか関空近くの温泉ホテルの送迎バスの最終便に間に合い飛び乗った。
ホテル到着後は行きの前泊と同じく温泉三昧、そしてまたビール。(但しアサヒ)
雨には少々たたられたが、今回もまた飲んだくれてよく食べて楽しい旅であった。
めでたしめでたし。(了)

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2012年初夏ぶらり沖縄(その6)

4月29日(日)

沖縄、遂に最終日である。お天気は相変わらず曇りがち。
最終日の今日は渡嘉敷島に渡る予定である。
出発一時間前には泊港に到着し、カーフェリーに車を格納して貰った。

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余談だがカーフェリーといえば、以前宮古島から伊良部島に渡った際「バックで入れろ」と言われ(まあそれが当たり前なんですけど)びびりで運転下手の私はひいひい言いつつよたよたバックしていたのだが、途中で見かねたクルーさんがええい代われ代われ!と颯爽と入れて下さったのが記憶に新しい。
因みに帰りの便の際も入れようとする間もなくクルー氏がさっと入れて下さった。
きっと運転下手のブラックリストに入っていたに相違ない。

フェリーに乗りこみデッキに立つと、ハーリーの船が練習に勤しんでいるのが見えた。なかなかにレアな風景である。
定時10時に船は出航。曇りがちながら陽射しも射してきたり、ハーリーの皆様も手を振ってくれたりなどして、なかなかに幸先よい船旅であった。

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…と思いきや出航から20分程でぷすん、とエンジン音が止まった。
なんでこんなところでエンジン止めるんだろう?と訝しんでいると船内放送が流れた。
曰く、
「只今軽微なエンジントラブルが発生しました。今暫くお待ち下さい」
と。
ふーん、まあそういうこともあるんかねとおとなしく待つも、10分経っても20分経っても船はうんともすんとも動く気配もない。

そうこうしているうちに再度放送が流れた。
「只今一応の修理は終わりましたが、安全確保の為一旦那覇港に引き返すことにします」
まぢですか。
これに続き、那覇港に戻った後、高速船で振替輸送を行います、とのアナウンスがあったが勿論高速船には車は乗せることはできない。
クルーのお兄さんに尋ねると、フェリーは着岸後至急修理はするけれども本日中の再出航は覚束ないとのことである。
えーいそんなら仕方がない。お兄さん、キャンセルお願いします。お金返して。

という訳で那覇沖無料周遊クルーズの旅は終了した。(半ば自棄)

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フェリー入港に従い岸壁に待避してくださっているハーリー諸船。
まさか皆様もさっき見送った船がもう戻ってきたとは思うめえ。
いいもんいいもん、そんなにお天気よくなかったし、お天気よくない渡嘉敷なんか行っても仕方なかったもん。

とポジティブ酸っぱい葡萄シンキングで乗り切ったはよいが、それはさておきさてこの先どうするべなと暫し考える。
ま、とりあえず時間もあるし北に行くか、と恩納村方面に車を走らせたのが運の尽き。
高速で私史上タイ記録の「バケツをひっくり返したような大雨」に遭う羽目と相成った。
(因みにタイ記録のもう一つは、いつぞや夏に岡山にお出かけした帰りの中国道の夕立であった)

何にも見えねえーとひとりごちつ高速を降り、まずは腹ごしらえをすべなとおんな道の駅に行くも駐車場は満杯。
生憎の天気だがGW真っ最中ということもあり、意外に「わ」ナンバー車は少なく地元の人が近所のスポットに押しかけているといった風情であった。

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なんとか車を停めて土砂降りの中建物に駆け込む。こんなときは自棄食いだ。

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イカスミ入りのかまぼこ(中にはとろりチーズ入り)だの

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もずく入りの肉まんだの

てな訳で色々食べた中ではポーポーホットドック(?)が印象的であった。
ポーポーはぶ厚めの沖縄クレープといった感じのおやつ。
その中に塩辛いソーセージとチーズをくるんであり、甘しょっぱい謂わばマックグリドル的な一品である。(食べたことないけど)

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側面

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断面

うん、悪くないけどやっぱり甘いものは甘いもの、しょっぱいものはしょっぱいもので食べた方が美味しいんじゃないかなと思ったことであった。
さんざ写真を載せておいて身も蓋もない感想ですまない。

つ づ く よ

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2012年初夏ぶらり沖縄(その5)

さてさて。

お土産を買い込んだ後は船に乗り込み、再び本部港に到着した。
どこぞに寄り道しようかとも思ったが、お天気も余り良くなかったので一路ばびゅんと那覇に向かう。

那覇の定宿、パームロイヤルNAHAにて荷を解きいつもの街歩き。
今回は、最近国際通り近辺に雨後の筍の如く増殖している琉球手ぬぐい屋さんで家土産用に暖簾、自分用に手ぬぐい一枚と紅型柄ミニトートバッグを手に入れた。
トートバッグを買ったら「内緒ですよ」とお揃いのシュシュをおまけに貰った。嬉しかったので内緒にせずここに公表するものである。ありがとうおにいさん。

一通りぶらぶらした後は、これまた毎度お馴染みヘリオス酒造直営のビアホールでゴーヤビールをぐいっと呷る。スクリーンに映し出されている3D映画「アバター」(店舗上映用に無声であった)を眺めつつ、いやーしかしこの映画ほんま単純なストーリーやな、こんなん音声要らんやんと心の中で一人突っ込みを入れつつぼんやりビールを啜るもまた楽し。

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沖縄と縁とゆかりもないプレッツェル。ゴーヤビールの相方である。

そうこうしていると時間となったので「やぎ料理 さかえ」に向かう。
さかえは前回初訪問した際、オーナーのなおみさんのキャラにぞっこん惚れ込み再訪したのであるが(この時の強烈話もいつかしてみたい)今回はお客さん満員御礼でなおみさんは火のついた如く忙しくされており、殆どお話しできなかったのは残念であった。

その代り、料理はしっかり堪能した。
滅多に食べられない「たまちゃん」も食せてラッキーなことであった。

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これがたまちゃんである。
因みにたまちゃんとは、読んで字の如く、たまちゃんである。深くは問わないで欲しい。
コリコリした部分が(この擬声語がまた趣き深くてよいものですね)なかなかに味わい深く生臭みなどは皆無である。

あとは山羊の焼き物、刺身も食したが、個人的にはよりフレーバー(嫌いな人は嫌いであろうが)を感じられる焼きに軍配を上げたい。オリオンにも泡盛にもマッチングすることおびただしい
(池波正太郎風に)

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生々しく艶っぽい色合いですな

以上で二日目の夜は終了。
些か食べ過ぎたお腹をさすりさすり眠りについた。ぐー。

つづくよん

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2012年初夏ぶらり沖縄(その4)

さて伊江島、お次の観光地は湧出である。湧出と書いてワジと読む。
島の北側には見事な断崖絶壁が続くのだが、海岸際に真水の湧き水があり昔の島人はここまで水を汲みに来ていたのだという。大変なことだ。晴れていればさぞかし海の色も美しかろうと思ったが、ないものねだりをしても詮方ない。

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この後はいよいよタッチュー登山である。正式名称は城山(ぐすくやま)であるが島外の人はタッチュー(塔頭、だろうか)と呼ぶそうだ。
オフスクレープ現象(古い岩盤が新しい岩盤に潜りこむ中で一部が剥がれて新しい岩盤の上に乗る現象、だそうだ。なんだか痛そう)とやらによって形成されたらしく、今まで確認されている中でこの現象によって作られた造形物は全世界で唯一、このタッチューだけなのだという。(伊江島HPより)
その出自もあってか、ホットケーキのように平たい伊江島に唯一すくっと聳えるこの岩山の印象は唐突且つ異様である。

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船から見た伊江島

この山の上には展望スペースがあり、それを目指しバスツアーの皆と一緒にえっほえっほと登った。

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結構な急勾配で普段運動不足の身には非常に堪えたがなんとか登頂を果たした(大袈裟な)

景色は勿論絶品。天気が良ければ昨日訪ねた瀬底島まで見えるらしい。
この展望スペースには写真の通り柵もなければロープもない。その分一層眺めは素晴らしいのであるが、子供たちがちょろちょろすると今に落っこちるんじゃないかと傍目から見ていて危なっかしくて仕方がなかった。

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降りた後はクールダウンにかようなものを食した。

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この後はハイビスカス園に行ったが詳細(などそもそもないのだが)は割愛。久米島のハイビスカス園の方が品種も株も多かったように思う。しかし世の中には色んなハイビスカスがあるものだ。

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なんとこれもハイビスカスらしい。

以上で観光は終了。案内に運転をして下さったおじさんとお別れして、いよいよメーンエベントのゆり祭りへと向かった。
GW時期に行われるゆり祭りには例年沢山の観光客が訪れる。(NHKナレーション風に)
会場に到着し、まず目に付くのは大小様々の白いゆりのカーペットである。

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確かにこの白い軍団には「おおっ」と圧倒されたが、私は花より団子原理主義者であり且つ時既に昼時であったので、とりあえず居並ぶ屋台でタコライスと伊江牛コロッケをゲットした。
どちらも旨かったが、こういったご当地肉系コロッケのご多分に漏れず、この伊江牛コロッケもどこに肉あんねん的じゃがいも9割9分ほくほく系コロッケであった。これはこれで勿論美味しいのだが、売価を多少吊り上げても文句言わないのでもう少し肉を前面に押し出せばいいのになあと思う。

これらを平らげさんぴん茶を飲んでいたら(この先も運転せねばならないのでアルコホルは嗜めぬのであった)ぱらぱらと雨が落ちてきた。
なので早めに退散することにした。何せこちとら食い物原理主義者なので、食べるもの食べられたら結構満足なのである。
そういう訳でフェリーターミナルにだいぶ早く着いてしまうこととなったので、土産物をじっくりと見て回った。伊江産黒糖を使用したラム、伊江ラムやら伊江ラムをつかったキューバリバーとモヒートなどを購入。相変わらず酒ばかりなのが我ながら自分らしいことよと己を寿ぐ。

つづくよ

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2012年初夏ぶらり沖縄(その3)

沖縄二日目である。

毎度のことながら優雅なリゾートライフとは縁遠い私は早起きして朝ごはんをかっこみ、早々にチェックアウトをして一路本部港へ向かった。
今日は「ゆり祭り」開催中の伊江島に渡る予定である。車を持っていこうと画策していたが、1週間前に問い合わせたところカーフェリーの車枠は既に満席となっており、敢え無く断念した。さて島での足をどう確保したものか。

往路のフェリーは、ここはどこの外国リゾートやねんと一瞬勘違いする程右を向いても左を向いても紅毛碧眼さんばかりであった。比率にして日本人2:外国人8といったところか。どうやらアメリカ軍人さんのレクリエーション軍団と同船したものであったらしい。
デッキで間近にいた黒人の姉妹の髪型が実に凝っていて可愛らしく(ハートとか星型の編みこみしてるのだ!)思わずしげしげと眺めてしまった。どうやってやるんやろうこれ。お母さん大変やろなあ。私がお母さんやったら絶対できへんなあ。

等としなくてよい心配などをしていると、外人軍団から何やら歓声が沸き起こった。
聞くとwhale!whale!と連呼している模様である。なになに鯨かそれは一大事と沖を目を凝らして眺めると、確かに黒光りする背中とあの特徴的な尾が波間に浮かんでいるのが見えた。沖縄では鯨のシーズンは冬季(3月位まで)とされているので、遭遇できたのは相当にラッキーだったと言えるだろう。

とまあそんなイベントもありつつの楽しいクルージングの後、船は伊江港に到着した。

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さてここからどうするべなと思っていると運よく「島内一周観光バス 1500円」の看板を見つけた。島の名所あちこちを巡り、最後にはゆり祭り会場に降ろして貰えるのだという。会場と港間では臨時シャトルバスが随時往復しており好きな時間に帰れるよとのこと。おお素晴らしい。これ採用。

という訳でバスに乗り込みいざ出発。まず車窓から見えたのはアーニー・パイルの碑(のあるところ)であった。ご存じ従軍記者のパイル氏はこの島の戦いに巻き込まれ絶命なさったらしい。船で一緒だったアメリカ軍人さんとその家族と思しき一群がバスから降りて見学しに向かっているのがみえた。やはりというか当然というか、彼らにとってここはマストポイントなのであるな。

バスの車窓の一面に広がるのは煙草畑である。花は薄紫~ピンク色で大変綺麗なのだが咲いている所は滅多に見かけない。花が咲くと途端に煙草の品質が低下するとかで、農家の皆さんは咲いたが早いか片っ端から摘んでいかれるのであるらしい。
伊江島は昔黒糖生産で栄えたが今は煙草栽培が主な産業とのことである。しかし最近の嫌煙傾向で此方も先細りで大変さー、とバスの運転手のおじさん(ガイド兼任)は仰っておられた。

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車窓から撮ったので写真ぼけぼけごめんなさい

観光バス最初の下車観光は「ニャティヤ洞」なる猫好きが喜びそうな名の洞窟であった。「力石」という名の石があり、子宝に恵まれない女性が持ち上げると子を授かるのであるらしい。妙齢の女はそんな恐ろしいものには近寄らず、ひたすら写真を撮りまくった。

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戦時中には防空壕としても利用されたらしい。

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入り口付近。

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先にアーニー・パイル碑で見かけた外人さん軍団もやってきた。

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ここからの海の眺めはなかなかに美しく乙なものであった。

次に向かった、いや走ったのは戦時中に作られた滑走路跡地。ひたすらだだっぴろくひたすら平坦である。幾星霜を経てひび割れやらペンペン草やらが至る所に見られたが、当時の滑走路がこれだけの規模で残されているというのは離島ならではであろう。運転手氏はばびゅーんとスピードを上げて「離陸しまーす」なんておちゃらけておられた。

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つづきます

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2012年初夏ぶらり沖縄(その2)

さて。

ビーチを堪能したあとは昼ごはんである。
ここ、瀬底島がある本部半島は真中に県道84号線が縦断しているのであるが、その界隈にはそばの名店が軒を連ねており通称「そば街道」などと呼ばれている。
私はこのそば街道を訪れる際には、必ず「きしもとそば」なる店に行っていた。
ここはそばもさることながら、じゅーしー(沖縄風炊き込みご飯)が実に味くーたー(味が濃い、味わい深いの意)で旨かったのだが、昨今いささか甘味が強くになり残念ながら好みから外れてしまったという判断を下さざるを得なくなってしまったので(くどい文章だこと)今回はもう一軒の名店、「山原そば」を訪れることにしたのであった。

山原そばのメニューは三枚肉そば(700円)とソーキそば(800円)、そして子供そば(350円)の三種類(厳密には二種類)だけ。残念ながらここにはじゅーしーはなく、あるのは白ごはん(100円)のみである。
関西人だが麺ものにご飯を合わせるのは余り得手ではない(炊き込みご飯系は別だけどね)私は、迷わずソーキそば一杯のみを注文した。

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結論から言おう。
この山原そばが2012年4月現在の私的沖縄そば暫定第一位となったことをここに高らかに宣言するものである。じゃじゃーん。
とまあそれ位に旨く、久々に沖縄そばについて目を瞠かされた。そばのコシといい、出汁といい、そしてなにより柔らかく煮込まれたソーキの味付けが実に私好みである。ああこのお店にじゅーしーがあれば完璧なのに。

大変満足した後は本部海岸沿いの本日のお宿「ベルパライソ」へ向かった。バブル期にてきとーに建てた一昔前の若者向けリゾートホテル(色々失礼)といった趣きのホテルである。しかしベランダからの海の眺めは最高であった。この日は早めに店仕舞い(車の運転をやめる、の意)して、日の高いうちからベランダでビーチ眺めつつビールを遣るという極楽モードに突入した。ああ幸せ。

そうこうしているうちにあっという間に時は過ぎ、夕ご飯の時間と相成った。格安プラン故、ついてくる夕食はさほど量はないんだろうなあと思いきや出てくるわ出てくるわ(質は、まあ、正直アレだったけど)で吃驚した。天麩羅盛り合わせがわっさーと出てきた時点で〆のごはん(最近なんかしらん「お食事」とかいいますなこじゃれた和食屋じゃ)はキャンセルした。
「え?ほんとうにお召し上がりにならないんですか??ほんとうにいいんですか?」
と目を丸くして何度も問いかけた恰幅の良いウェイターさんの顔が忘れられない。
そうだった忘れていた、沖縄の食堂の盛り付けの量ときたら只事ではなかったのであった。
しかしこれじゃいつまでたっても肥満率全国一ですぜ。嗚呼長寿県の栄光はいずこへ。

てな訳で、部屋に戻った後もごはん足らずばこれで食いつなごうと買っておいた沖縄系スナック菓子なども食せるべくもなく、海からの夜風に吹かれつつひたすらビールを呷ったのであった。それはまたそれで幸せ。

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2012年初夏ぶらり沖縄(その1)

えー、お久しぶりです。
何の気まぐれか、久方ぶりにブログを再開する運びとなりました。
とはいえ不肖私、ご承知の通りの気まぐれ人間ですのでこのモチヴェーションもいつまで持続するやら分かったものではございません。
なのでさほど期待戴かず(誰もしませんね)ごゆるりとお付き合い頂けましたらこれ幸いに存じます。

という訳で(何書きゃいいか分からぬ時の常套句)復帰第一弾は、先だってまたもや行って参りました沖縄日記でも書いてみようかと思います。
でははじめ。

【4月27日(金)(出発前夜)】

今回は朝一番の関空発の便を取ったため、関空近くの温泉つきビジネスホテルに投宿した。
至って普通のビジホではあるが温泉がついているのはなかなかポイントが高い。

夜8時過ぎに到着し荷を解いた後、宿を出て夕飯処の物色をする。しかし界隈はよくある国道沿いラインナップで興味を掻き立てられる店などは皆無であった。
結局白羽の矢を立てたのはご存じ天一、つまり天下一品である。口にするのは実に数年ぶり。所謂「全汁」するも珍しく胃もたれしなかった。全汁後、久々にラーメン鉢底の「明日もお越しください」の文字との対面を果たす。勿論明日は来ませんとも。Tomorrow never comes.(違います)

帰り来たりてまずは一風呂。休憩スペースの冷蔵庫に並ぶコーヒー牛乳の誘惑には目もくれず、部屋に戻り買って冷やしておいたビールを一気に呷る。ぷはー。幸せ。幸先良い旅のスタートである。

【4月28日(土)】

朝一番の送迎バスで関空へ。到着した後はこれまた久々の朝マックを食す。メニューは頑なにソーセージエッグマフィンセット。グリドルも旨いよと言われるのだが未だ冒険する気になれない。甘しょっぱいという味覚にはどうも馴染めないのだ。巷で大人気のチョコがけポテチというものも余り好きではない。やはりチョコレートとポテチは別々に食べたいと思う。食べ物は甘いかしょっぱいかどっちかにして欲しいのである。ただでも単純にできている頭が混乱する。

やがて時至りて飛行機に搭乗す。今回は初のスカイマーク便である。確かに席は狭いがチビ故さほど気にならず。それよりも椅子自体のちゃちさが気になった。後部座席の人が机を広げたりしまったりする度、結構などっかんどっかんという衝撃を喰らいいちいち驚かされた。

あと、アナウンスで
「スカイマークではお客様のお荷物紛失等のトラブルを防ぐため、お荷物はお客様ご自身で格納頂くようお願いしております」
と仰られたにはちと吃驚した。まあその実CAの負担軽減なのだろうが、モノはいいようでんな。
いつもCAさんに荷物の出し入れをお願いしているチビの私は、おかげで非常に難儀することになった(親切な乗客さんが助けてくれたけど)まあLCCなんだ仕方がない。

という訳でいつも(JALのclass J)とは随分勝手の違ったフライトであったが、所要時間はいつもと変わらず(当り前)那覇空港に到着した。
とはいえ、いつもの便は9:30発→11:30着なのに比して今回の便は7:30発→9:30着であるので沖縄には2時間ほど早く到着することとなり此方は無論大歓迎である。

レンタカーの手続きもスムーズに済み一路北部へ。天気は快晴。気持ちよいことこの上ない。
まずは私のお気に入りビーチがある瀬底島へと向かう。でもここ、駐車場代だけで1000円とられるのは非常に納得がいかない。数年前も確か1000円だったが、そのときは・ビーチへの送迎(駐車場とビーチ間には距離がある)・シャワー等も含まれていたのに今回は全く何もなしで駐車料金オンリーで1000円である。ええ商売してんなと思うが、しかし私的には本島では瀬底ビーチは外すわけに行かないポイントなのである。大阪人としてはあな口惜しいが致し方ない。

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海は変わらず美しかった。その美しさに惹かれ今シーズン初の海水浴と洒落込んだが、まあ水が冷たいのなんの。こんな時に嬉しがって入るのはヤマトンチュ位のものさねえと、心の中で己を揶揄しつつ一度入水(入水って)した意地もあり、くうっと歯を食いしばり暫し海にステイした。勿論泳ぐどころの騒ぎではない。恰も本土の正月初泳ぎの如きであった。

ぶるぶる震えつつ海から上がるとビーチの奥に巨大な建造物が見える。私がこのビーチに初めて来た5年前、ここには大型リゾートホテルができるとのことで鎚の音も喧しかったのであったが、その後直ぐに母体会社が倒産し、哀れホテルはその時から建築中のまま放置され風雨に晒されているのである。
(とかいいつつ写真を撮るのを失念している。歳はとりたくないものよのう)

つ づ き ま す

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