さてさて。
そんなこんなで六本木ヒルズを堪能した後は本日の宿に移行した。
今回の旅では一泊目は准教授素敵女子、二泊目は合唱素敵女子とお泊りする算段である。
某氏にいいでしょーと自慢すると、
「女をとっかえひっかえやな」
と言われた。んまあ人聞きの悪い。
一泊目のこの日の宿は、フォーシーズンズ椿山荘であった。
前々から泊まってみたかったのだが、ある日某サイトでお手頃価格で出ていたのでおっしゃとゲットした次第である。
お部屋はシティビューのデラックスツイン。
自慢のお庭が見えるガーデンビューよりはランクが下がるが、ここはここで非常に景色が良い。
遥かに向こうではあるがスカイツリーも拝むことができた。

ポーターさん曰く、椿山荘にはスカイツリーが見える部屋は殆どないそうである。ラッキーでしたな。

別の方角。

内装はクラシカルである。
部屋にて今宵のディナーに向かうまで素敵女子と暫し歓談。
この場で土産にとはるばる持ってきた佐渡は真野鶴の大吟醸を進呈する。
「そういやさあ、素敵おじ様(今宵ご一緒するお方。後述する)にも大吟醸、持ってきたんだけど適当な袋がなくって…
剥き出しだったらやっぱり礼を失するよねえ。なんかいいものないかなあ」
「うーん、そうですねえ…
あ!これってぴったりじゃないですか!」
彼女が指し示したもの、それはなんとフォーシーズンズのスリッパ袋であった。
スリッパ袋といっても使い捨てものなので清潔そのもの。
不織布なので強度も十分、フォーシーズンズのロゴもついて見た目もお洒落である。
件のお酒を入れてみると、まるで誂えたかのようにぴったりではないか。
うん!これはいい!
よしこれでラッピング(ちゃうちゃう)決定。
話は前後するが、その後このお酒を素敵おじ様にお渡ししたところ非常に喜んでくださった。
「わあありがとう!
で、これフォーシーズンズの日本酒なの?」
「違います違います違います違います」
いや、いっそその方が箔がついたか?
(つきません)
さて話を先走らせてしまったがこの日のディナー話である。
素敵女子が予約しておいてくれたのは江戸川橋の「リストランテ ラ・バリック トウキョウ」
超絶的に予約がとり難いという大人気の一軒家イタリアンだ。
二か月前から予約を取ってくれた素敵女子には感謝感謝である。
そして前述のとおり、このディナーにはもう一人特別ゲストをお呼びしていた。
それは誰あろう、私達の敬愛して止まない素敵おじ様である。
素敵おじ様に関しては様々なエピソードというか思い出というか感謝の念というか、まあいいや、兎も角そういった諸々の思いがあるのだが、それを皆ここで書くとただでも長い日記(本当に話が長くてすみません)がとんでもなく長くなるのでここには書かないのである。
とまれバリック話である。
このイタリアンはとんでもなく分かり難い場所にある。
細い路地から更に、一階はプチ駐車場、二階は家屋(事務所かな)?というよくある建物の駐車場部分を通り抜けなければ辿りつけないのだ。

エントランス。
本当に普通のおうちのようだ。
以下、料理の印象を簡単に記す。
写真は撮っていません(1眼レフしか持っていなかったのと、目上の人の前で料理写真を撮るのは気が引けたから)
尚、料理名は全て適当です。
Amuse その一:ひとくちサイズの小さなオープンサンド(様のもの)
小さなロールパン状のパンの背に切れ目が入り、様々な具が詰められている。
なんてことないスナックだが味は濃厚。
期待が高まる序曲だ。
Amuse その二:ひとくちサイズの鱧のフライ、ズッキーニ他のソースがけ
あつあつの鱧のフライ。
その上に酸味があるソースがかかっている。
文句なしに見事なハーモニー。
Antipasto Freddo (冷製前菜):兎のガランティーヌ 山羊チーズ添え
しねしねした歯触りの少し癖のある兎肉と、同じく癖のある山羊チーズとの相性は抜群。
もう、抜群なんていうありふれた言葉で語りたくないくらい抜群。
Antipasto Caldo (温製前菜):石川芋を使ったニョッキと鮑の蒸し物 鮑の肝のソースがけ
石川芋とは何ぞや?
某サイトで調べてみた。
旬は夏から秋。
古くは大阪は南河内の石川村で栽培されたことから石川芋と呼ばれる。
つまりは里芋なのだが、味がよく皮離れもよいことから日本全国で栽培されるようになったのだそうな。
そんな風味の良い芋のニョッキに、旨味の塊のような鮑の肝ソースがとろりとかかる。
芋のまったりとした甘味に肝の苦甘さが絡み、悶絶もののハーモニーを奏でる。
蒸した鮑の天上的美味は言わずもがな。
もちっとしたニョッキにしんねり柔らかい鮑との食感の対比も面白い。
Primo:アニョロッティ(ダル・プリン)/上質な羊のチーズに沖縄のちゅら豚、各種ハーブにナッツの詰め物が入ったパスタ・ローズマリー風味
なんと申しますやら。
一つ口に頬張るごとに笑みがこぼれる、そんなパスタでした。
一口ごとにチーズが勝ったり豚が主張したり、ナッツが香ばしかったりして様々な表情を見せるのもまた楽し。
ほっぺたを人差し指でぐりぐりして「Buono!」て言うのは、こういうものを食べているときにこそ相応しいポーズですな。
Second:馬ヒレ肉のロースト その肝とゴボウ他根菜類のソテー添え
一目見て、そのポーションに恐れをなした。
厚さ1cm、縦6cm、横3cmはあろうかという馬ヒレ肉が3枚もどどんと鎮座ましましていたのだ。
わー無理、これは食べられない。
と思いきや全てぺろっと平らげてしまった。
(時間はかかったが)
赤身の肉は癖もなく(癖がある肉も好きだがそれはさておき)、それでいて噛みしめるとしみじみ旨く食べて食べ飽きない味わいだ。
最近は松阪牛のような見事な霜降りよりこういう赤身肉を好むようになってきた。年だろうか。
尤も、食べて食べ飽きないのは肉質もさることながら、勿論シェフの味付けの力によるところも与って大であろう。
dolce:白桃と、同じく白桃のソルベ
コンポートといえるほど手を加えていない、ほぼそのままの白桃に同じく白桃のソルベ、その上に乾燥させた白桃のスライスがぐさっと刺さっていた。
甘いものがさほど、というかかなり得手ではない私だが、食後のデザートとしてこれほどあらまほしきものはないと思った。いやほんとに。
特にソルベが絶品。
この私がもうあとお茶碗一杯分欲しいと思った位である。
(どんぶり鉢は流石にお腹壊しそうだしね)
プティフール
プチチーズケーキ、いちじくのタルト、フィンガービスケット(八角の味がした!)、メレンゲクッキー等々。
とてもじゃないが食べきれなかったので包んで頂き、翌朝にコーヒーと共に頂いた。
以上、全て美味。全て最高。私大絶賛。私まっしぐら。
誇張でもなんでもなく、今までさんざ食べ歩いてきたイタリアンの中で最高峰であった。
ちきしょうちきしょう、やっぱ洋モノは東京には勝てないんだな。
和食は正直関西の方が全然美味しいと思いますけどね。きりっ。
(負けず嫌い)
そうそう、食事に合わせて頂いたワインがまたぴったりであった。
珍しく白を選んだのだがこれがまた大正解。
その名をWinkl(ヴィンクル)という。
オーストリア国境のトレンティーノ=アルト・アディジェ州産で、ソーヴィニヨンブランで作られた白ワインである。
そのまま飲めば酸味と果実味がバランスの良い綺麗な飲み口のワインだったが、これがまた料理によって色んな顔を見せるんである。
ワインは皆そんなもの、と言ってしまえばそれまでだが、このヴィンクルは思わず「おおっ」と唸るほどの七変化ぶりを見せてくれた。
(楽天で調べてみたけど品切れでした。ううう)
以上、極上ディナーでありました。
途中、お疲れであられたらしい素敵おじ様がぐうぐう眠りこけてしまわれるというハプニングもあったが(お疲れなのに来て頂けたんだなあ、となんだか申し訳なかった)、食事も会話もみーんなひっくるめて最高に楽しい一時であった。
こんな素敵な場を設けてくれた素敵女子に再度感謝感謝である。
てな訳で、これにて大充実の東京ステイ、一日目は終了。
素敵女子と連れ立ち椿山荘に帰り、豪華なベッドでぐっすり眠ったのであった。
つ づ く ね ん
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