さてさて。
マブヤージェットとお別れした私達二名、空港内のバスに乗り込みちっちゃなちっちゃな到着ロビーに到着した。
思えばここに来るのは半年ぶりだ。
我ながらタイムスパン短いなあ、と何かしらん感慨を新たにする。
その後、荷物を引き取ってレンタカー屋さんに拾って貰った。
そして手続き済ませ車を借りて、いざ夜中のドライブへGO!である。
前回も書いたとおり、今回の宿はクラブメッド・カビラであった。
レンタカー屋さん(市街)からは車で所要30~40分といったところであろうか。
それほど距離がある訳ではないし、特に私は今までに何度もその道を走っているので、夜とはいえさほど特別なこともあるまいとたかを括っていたのだが…
ええね。
そりゃもうね。
てげおっかなかったさー。
不肖私、こう見えても夜の運転はかなり得意な方である。
それは何故かというと、昔新潟にいたころ、何を間違えてか暗い夜道を2カ月ばかりずっと車幅灯で走っていたのである。
「新潟ってほんまに道暗いんやなー」
とぶつぶつ言いながら。
新潟の方、本当に申し訳ございませんでした。
#道自体はT中K栄さんのお陰で実に素晴らしかったのですが。
とまあそういう訳で「暗い道養成ギブス」で鍛えられていた私、石垣の夜道なんざ平気の平左さどんとこい!と思っていたのだが…
やー、なかなか手強かったです。
最初はハイビームなど使わんわ!と豪語していたが、途中からは惜しげもなく全開にさせて頂いた。
おしゃべりの母も助手席で無言になるし。
途中から地元の人らしき車に煽られるし。
でもまあ、なんとか最後には生きてホテルに辿り着いたのであった。めでたし。
ほうほうの呈でフロントで母と荷物を降ろしたところ、スタッフさんに
「すみませーん、近くの駐車場満杯なんですよ。
申し訳ございませんが向こうの駐車場にお停めください」
と言われた。
えっと。
ああ、向こうの駐車場ね。
了解です。
さっき通ってきたから分ります。
でもね。
そこ、徒歩5分はかかるよね
しかも周囲は真っ暗闇である。
車を停めた私は、そこから鼻を抓まれても分らないとまではいかずともちょっとまし程度の闇の中、半泣きでうええええんと(半泣きじゃないし)小走りでホテルに走っていったのであった。
さてホテルである。
今回は母のたっての希望にてクラブメッドにした。
しかし私はあまりメッドが好きではない。
今から10年ほど前、タヒチはボラボラのメッドに宿泊したのだが、全食こってこてのビュッフェ、GOさん(スタッフ)の過度のフレンドリーさ、そして宿泊者を巻き込んでのイベントなどにほとほと疲れ果てたのであった。
ああいうの、好きな人は好きだろうが私は苦手である。
因みに、一人で旅行しているときに過度に話しかけられたりするのも苦手だ。
お店の人と積極的にコミュニケーションを取るのも得手ではない。
(無論、積極的に避けるという訳ではなく、何かしら話しかけられたら乗るけれど)
一人のときは徹底的に一人が好きだし、それが一番ラクなのだ。
だから友達少ないんだよな、私は。
閑話休題。
とまあそんな訳で私はメッドが苦手なのだが、パンフなどでなにやらよいイメージを植え付けられたらしき母上は石垣に泊まるんだったら絶対メッド!と譲らなかった。
前回も書いたとおり、今回の旅行は母上へのサービスでもあるのであーはいはいと了承しておいた。
しかし、最初から夢(高級リゾート?)を壊してはなんなので、どのような仕組であるかは言わずにおいた。
で、ホテル到着時である。
荷物と共に取り残された母は、いきなりとつくにのGOさんに英語で話しかけられるわ、陽気な熱烈歓迎を受けるわで大変戸惑っていたらしい。
ははは、吃驚しただろう。
チェックインの際も、担当GOさんに
「ぴこら様、ようこそお越しくださいました!」
「ようこそお越しくださいました!」←そこらへんにいたGO全員
と某居酒屋チェーン的ノリで絶叫され、ドン引きしていた可哀想な母であった。
そんな訳で母の落ち着いた大人の高級リゾートという夢はしょっぱなから無残にも打ち砕かれたのであったが、部屋や施設自体は思っていたより(失礼)なかなかよかった。
部屋。
複雑な色の間接照明故WBがおかしいのはご寛恕あれ。
ベッドカバーがミンサー柄なのは琉球チックである。
ときに、このホテルに到着したのは夜の9時過ぎだったのだが、その時には既にここでの晩御飯タイムは終了していた。
しかし、クラブメッドはオールインクルーシブ、つまりご飯も飲み物もアルコールも(!)全て込みなので、晩御飯が食べられないというのは非常に損である。
なので前もってご飯を用意しておいてくださいねとお願いしておいたのであった。
それがこれである。
上にヨーグルト乗ってるし。
サラダにフルーツが4パーティーション中2つ占めてるし。
朝食ですか?
と思ったけど、頂けるものはありがたく頂くというのがぴこら家の家訓なので、母と二人ありがたく頂戴した。
夜中のご飯だったし、屹度ヘルシーにっていう配慮だったんだね!
うんうん。
しかし、ヘルシーならざる私は先ほど担当GOさんより耳より情報をゲットしていた。
曰く、バー(部屋から徒歩三分)ではアルコールが飲み放題で、ビールは部屋に持ち帰りできるそうなのである。
じゃあ一杯ひっかけてこよう、と部屋を出かけた私に母がこう言った。
「あのさ、私今からお風呂入るから。
風呂上がりのビール、貰ってきておいて」
「…わかりました」
泣く子と地頭と母には勝てぬというのがぴこら家の家訓なので(もうええわ)、粛々と言いつけに従うことにした。
バーに行くと、ショーの後らしく皆陽気に飲み交わしていた。
母は長風呂だし、ちょっとここで頂いていこうっと。
ライトアップされたムードたっぷりのプールが見える席に陣取り、まずは生ビールをぷっはーと煽った。
いやー、思えば長い一日だった。
ほぼ移動オンリーだったけど、マブヤージェットだのおっかない夜道だの、色々面白いことてんこ盛りだったわな。
いや楽しかった楽しかった。
お疲れ!私。
…あら。
もうビールがないわ。
まだ母はお風呂だろうし、なんてったってタダだし(乞食根性)もう一杯頂こうかしらん。
ぷっはー。
あー、極楽極楽。
…あら。
またビールがなくなっちゃったわ。
ここのビール、随分盛りが悪いのね。
(これは本当)
でも流石にこれ以上母を待たすのはなんだから、そろそろ持ち帰ろうっと。
おにーさんおにーさん。
ビール持ち帰り用で下さいな。
2杯ね。
#当たり前でやんす。
ビール2杯を手にそろそろと帰ったところ、母は既にお風呂からあがっていた。
「あんた、随分遅かったやないの」
「ん?んなことはないよ。
(にこにこ)
はい、ビールどうぞ」
「あー。
もう眠いから要らない」
「…え」
「それにもう歯も磨いちゃったし。
あんた飲みなさいよ。どうせ飲むでしょ」
「は、はあ…」
という訳で、結局私は図らずも(ええ、図らずも!)ビールを4杯飲む羽目になったのであった。
ああ、えらい目にあった。ひどいひどい。
という訳で長い長い1日目は終了した。
明日はいよいよ石垣島観光である。
つ づ く さ ー
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