信州旅行記(2日目-3 今回の旅のハイライト、上高地。)
さてさて。
そんなこんなでなんとかバスに乗れた我等が母娘である。
上高地への所要時間は約1時間半。
道中は殆どうたた寝していたが、ふと目覚めるとこんな景色が車窓いっぱいに広がっていた。
うーん、美しい。
これは本命、上高地にも期待が持てるというものだ。
12時前に上高地バスターミナルに到着する。
ここでまずすべきことは、帰りのバスの便の予約をしておくことである。
これを忘れると帰れなくなる恐れがあるので気をつけよう。
現に、我々が帰る際に中年の女性二人連れが予約をしていなかったと見え右往左往しておられた。
バスターミナル付近の紅葉。
ここでも十分美しい。
さてまずは上高地といえばここ!の定番スポットに向かおう。
ご存じ河童橋である。
この日は土曜でしかも御覧の通りの行楽日和ということもあり、橋の上には人がわんさかと群れていた。
もう少し奥にあるビューポイント。
ここの眺めが一番好きだ。
ここから更に奥地の明神池へと向かう。
距離は4km弱といったところだろうか。
秋枯れの道。
さほど派手な紅葉はないものの落ち着いた眺めが楽しめる。
ここまで来ると河童橋の喧騒が嘘のようだ。
水のある景色っていいもんですね。
煌びやかな紅葉も、時々ある。
ever greenに舞い降りた一葉。
錦鯉みたいな葉っぱ。
ところで母は、この道中えらくのったりのったりと歩いていた。
還暦過ぎのおばあさん、じゃなかったおばさんにしてもその歩みは如何にも遅い。
此方はあちこちで写真を撮るので丁度よいといえばよいのだが、余りにも色んな人(その中にはかなりの年輩の方もいらした)に追い抜かれるので一寸気になって訊いてみた。
「母よ。足でも痛いん?」
「足は痛くないけど、なんせ病み上がりやから早く歩けないんよ。
(母は去年の今頃とある手術を受けた)
あと、じっくりと景色を楽しみたいんよ。
こんな素敵なところ、さっさと歩いて行くなんて勿体ないじゃない。
みんなせっかちねえ」
普段はウルトラせっかちな母ではあるが、やはり病の影響もあってか足腰は弱っているらしい。
そうかそうか、それでは無理のないペースで歩いて貰わねば。
とまあそんなこんなで1時間ちょっとで明神池に到着した。
この池は穂高神社の神域で、入るには神社にお布施(でいいんだろうか?神社の場合)を払わねばならない。
折角ここまで来たのだから、と普通の人は皆ぞろぞろと入っていくのだが、我々は
「明神池は普通の池よ。お金出してまで見る価値なし」
という母の意向で入らなかった。
流石は大阪のおばちゃんである。
その代わりといっては何だが、山茶屋「嘉門次小屋」にて遅い昼ごはんの蕎麦をすすった。
本当はここで焼いている岩魚の塩焼きが食べたかったのだが(写真で見える白煙は岩魚を焼いている煙である)、只今1時間待ちと聞かされて泣く泣く諦めたのであった。
さて、来た道を戻ることにしよう。
復路は行きよりも開けた景色を眺められる。
が、暫く歩くと林のなかへ。
ここに来て、私はある異変に気がついた。
往路に比べ、母の歩みが異常に速いのだ。
壮年の方々は勿論、頑強そうなバックパッカーまでもずんずん追い越していく。
写真を撮っている私などはあっという間に置いていかれていってしまった。
小走りで追っかけて行って漸く追いついても、母は振り返ることもなく歩みを進める。
「ど、どしたん母よ。行きとえらい違いやない」
「何がやの」
「歩く速さやん。足は大丈夫なん?」
「ああ歩ける歩ける。
そんなことよりも私、
トイレ行きたいねん」
「…け、景色は?」
「そんなもん見てる余裕ないっちゅうねん」
足腰の弱りに上高地の自然、トイレに完敗す。
その後トイレは無事見つかり、母は目出度く再び景色を愛でることができるようになったのであった。
皆様も上高地ではトイレは計画的に。
てかあなた十分足腰回復してます、お母様。
こんな感じで(どんな感じだ)散策は無事終了し、バスターミナルの喫茶店でミルクティを飲んでほっと一息ついた。
前回は新緑の季節に訪れたが、紅葉の季節も当たり前だがやはりいいものだ。
上高地には何度来ても満足できる。
つ づ く ん だ よ
| 固定リンク
最近のコメント