沖縄・八重山旅行記(ST編・其の一)幻の島へ。

9月9日(水) 八重山一帯:概ね晴れ 沖縄本島(那覇):晴れ

旅も四日目と相成った水曜日。
この日はうんと早起きした。

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朝ご飯は「コンビニシーサー」で買ったじゅーしーおむすびに唐揚げのセット。
冷えてたけど(当たり前)、なかなかいけた。

ホテルをチェックアウトした後、荷物一式をがらごろがらごろと引っ張って離島ターミナルへと移動した。
そしてターミナルのコインロッカーに荷物を放り込み、タクシー乗り場でお迎えを待った。
今日は幻の島にパナリ(新城)島を巡るシュノーケリングツアーに参加するのである。
…という訳で、表題の「ST」とは実は「snorkeling tour」の略でありました。
分りにくくてすみません。

因みに何故ツアーに先立ち荷物をターミナルに預けたかというと、ツアー終了後速やかにターミナルから空港に移動し、那覇行きの飛行機に乗るためなのである。
いつもながらに欲張りかつかつな旅程であることよ。

とまれ、そうこうしているうちにお迎えのバンが来たので乗り込んだ。
その後バンはあちこちのホテルからお客を拾い、最後に港に到着した。
小じんまりした船に全員乗り込み、いざ出発。
まず目指すは「幻の島」である。

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むきょー。美しい。

このサンドバンク、満潮時には全て沈んでしまうので「幻の島」なんて名前がついているらしい。

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縦のアングルでもう一枚。

ここでもシュノーケルはできるが、御覧の通りものっすごい浅瀬なのでお魚とてさほどおらず、いたとしても砂地と同じ色の地味な輩が多かった。
なので、最初に少し水に入りはしたもののすぐに砂浜に上がり、あとは波打ち際にぼーっと座りひたすら目の前の海を眺めていたのであった。
思えばこの旅中さんざ綺麗な海を見てきたが、ここはまたそれらとは違ったサンドバンクならではの景色であり、いつまでも見入って飽きることを知らなかった。

だがそこはツアーの悲しさ、そろそろお時間ですよーの無情な呼びかけにしぶしぶ腰を上げたのであった。
ツアーは嫌いだけど、こういうところにはツアーでしか来られないから仕方がない。
もうちょっと島にいたかったなあ、とぶーたれ気味の私を乗せた船は次の目的地へと向かった。

つ づ く よ

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沖縄・八重山旅行記(石垣の夕ごはん)・とあるお寿司屋さんにて。

さてさて。

ホテルに戻り身支度をした後は、またもや石垣の街に飛び出した。
遂に石垣最後の夜である。

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昨年に引き続きあやぱにモールをふらふらしてみる。
でも、ここにあるものは大抵沖縄本島でも手に入るので、今回は何も買わなかった。

ふらふらしているとお腹が減ってきたので、今宵のごはん処へと向かう。
なんでも、お寿司屋さんではあるが他のアテも美味しいお店とのことである。

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まずはオリオンで一息。ぷはーっ。

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雲丹、そして石垣牛のにぎり。
どちらも甲乙つけ難い旨さである。
石垣牛にはにんにくスライスが潜んでいて、それがまたまったりした肉の風味とよく合うのだ。

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セミエビの焼き物。
濃く、癖のある味わいであった。
苦手な人は駄目かもしれない。
私はこの手の癖は大好物なので瞬く間に食べきってしまった。

さて。
この時既に最後の締めを何にするかは決めていたのだが、でもそれに至るまでにもう少し何か食べたい。
けれど、さほどお腹に溜まるものは食べられない。
何か味が濃くって泡盛のツマミにぴったりで、それでいて重くないものないですかねえ?
と板前さんに聞いたところ、
「ああ、わかりました。
それじゃ、










ナポレオンの味噌漬けどうですかね?」







とにこやかに仰られるではないか。


Napoleonfish


(写真はお借りしました)

ナポレオン。
ナポレオンて。
このナポレオンよね?

不肖私、グレートバリアリーフでシュノーケリングをした際にナポレオンと一緒に泳いだことがあるのだが、まだ食したことはない。
てか、そもそも食べられるんですか?この御仁。
怯みつつも興味深々だったので頂いてみることにした。


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ほうほう。
ま、普通の味噌漬けに見えますね。
ぱくっと食べてみたところ…









うまーい!










うまーい!!!









いや本当、これ美味しかったです。
勿論、漬け込んだ味噌の風味もよかったのだろうが…
ナポレオン君がこれほど淡白な、それでいて味わい深い身を持ってらっしゃるとはついぞ知らなかった。
お土産にできるものなら持って帰りたかったなあ。

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そして最後はノコギリガザミの味噌汁を頂いた。
蟹の味が染み出て旨いのなんの。
酒の締めにはぴったりの一品である。

これにて石垣最後の晩餐は終了した。
この日も美味しいものを頂き満足満足。

翌日に つ づ く よ

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沖縄・八重山旅行記(波照間編・其の七)村落再び、そしてさらば波照間。

さてさて。

元気になって再び村落中心部に戻ってきた私、まずはこんなものを頂いた。

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泡盛アイス。
中にはあかばなー(ハイビスカス)のアイスも入っている。
さっぱりおいしく、更に元気百倍。

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村落一番の人気店(と思われる)、共同売店。
ここではなんと幻の泡盛と呼ばれる「泡波」のミニボトルが売られていた。
石垣島では一本1000円したミニボトルがここではたったの360円。
おひとり様10本との制限はあったが、これは凄い。
という訳で、

1

なかなか美味しかった。

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最南端の駐在所。
分りにくいけれど、日本地図の一番左下、赤く波照間の位置が記されている。
隣のパトカーは、きっと最南端のパトカーに違いない。

ここらへんでそろそろ港に向かうことにした。

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この海ともさよなら。

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赤土。
熱帯から亜熱帯地域によくみられる粘土分に富んだ緻密な土壌である。
最近、沖縄一帯ではこの赤土が降雨等で流出し沿岸海域のサンゴ礁生態系を破壊するという「赤土流出」現象が問題になっているらしい。

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すくすく伸びるさとうきび。

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ターミナルに着き、売店のおばちゃんにキーを託し波照間の旅は終了した。
ここの食堂では、驚くべきことに泡波が普通に飲めるのである。
もう運転することはないので、ロックでぐびりと頂いた。
くせもなくまろやかなお味であった。

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何語??
「ん」で始まる言葉であるあたり、ここは「とつくに」である感を改めて抱く。

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さらば波照間。

これから再び1時間弱かけて石垣へと戻った。
先のような副作用が怖かったので酔い止めの薬は飲まなかったのだが、心配ご無用、出港した瞬間から石垣到着までひたすら眠りこけたのであった。

まだまだ つ づ く よ

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沖縄・八重山旅行記(波照間編・其の六)昼ごはんに波照間村落、そして私を襲った異変。

さてさて。

最南端を堪能したのちは、お昼ごはんを食べるべく一端村落に戻ることにした。

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その途中で見かけた波照間空港。
ターミナル(って呼んでよいのやら)の中には人の気配もなく、どうも定期便等が飛んでいる雰囲気ではなかった。
それに、

5

少し侘しい気分になりつつ村落へ。
お昼はペンションの一階「浜シタン亭」で食べることにした。

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ランチおすすめはあんかけ焼きそばだったが、波照間まで来てあんかけ焼きそばでもあるまいと定番ソーキそばを注文することにした。

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うん、すっごく普通だった。
(ほめてもけなしてもいないよ)

さてさて。
丁度このそばを食べ終える頃、私は体がものすごくだるいことに気がついた。
頭もなにやらくらくらするようだ。
そしてなにより、眠くて眠くて仕方がない。
このまま暫くお店に居座って休みたいとも思ったが、そば一杯で粘るのもどうかと思い、また折角だからしっかり観光せねば!といういつもの旅先貧乏性も発動したので、食べ終わるとすぐそそくさと店を出た。

だがしかし、やはり体の具合は思わしくない。
足はふらつくし、手にも力が入らない。
車の中で仮眠しようとも思ったが、何せ9月の波照間、そんなことしようものなら熱中症で死んでしまいかねない。

この突然の体調の異変は、実は人為的なものであった。
ちょっと尾篭な話になってしまい申し訳ないが、実はこの日の朝、私は少々おなかを壊していた。
そこでおなかの薬を飲んだのだが、さらにピルユーザーでもある私はそれに加えピルをも追加服用していたのであった。
(ピルは吸収力が弱い薬なので、おなかを壊したりすると追加服用せねばならないのだ)
そして更に、前述の通り船の前に船酔い止め薬を飲んだという次第である。
このような無茶な薬の服用が体にいい訳がない。
しかも、この日は旅行三日目で疲労もピークに達していた。
つまり、この午後、私は薬に体力消耗のダブルパンチをまともに食らったのであった。
ああ、いつまでも若くないのだから、いくら旅行だからといって浮かれて無茶をしてはいけないな。
と回らぬ頭で激しく後悔したのであった。

とは分ってはいても、今更後悔したってどうしようもない。
うう。
とりあえず、横になって休みたい。
でもホテルははるかかなたの石垣島だ。
またもや回らぬ頭で暫く考えた後に私が向かったのは、先ほど訪れたニシ浜であった。
この際の車の運転も相当覚束なかったが(危ない話ですが)、この時はしみじみ本当にレンタサイクルにしなくてよかったと思ったことであった。
あの時の体調で自転車で回っていたら、確実に行き倒れていたと思う。

気息奄奄で辿り着いたニシ浜は、午前の荒波とはうって変って穏やかな形相を見せていた。
海辺で遊ぶ人もぐんと増えている。
そんな楽しそうな人々を横目に、私は荷物を抱えふらふらと浜辺を歩いて行った。
そして比較的日陰の場所を見つけ、そこにレジャーシートを敷き帽子を顔に乗せカメラを抱え(盗られちゃ困りますからね)こんこんと眠ったのであった。
#さぞかし怪しかったことかと。

はっと目が覚め時計を見ると、30分程時間が経っていた。
ありがたいことに、だるかった体は嘘のようにすっきりとしている。
しかし、日陰とはいえ最南端の浜辺で寝ていただけあって体は汗だくであった。
うう、気持ち悪いなあ。
と思いつつ起き上がると、目に飛び込んできたのは心に染みいる程碧いニシ浜の海であった。

よっしゃ!
ひと泳ぎして汗を流そう!!

がばと飛び起きた私、海に向かってうひゃひゃひゃひゃーと走っていった。
わーい、海最高!
#本当、さぞかし怪しかったことかと。
##因みに、うひゃひゃひゃひゃーは実際には言ってませんよ。念のため。

てな訳で。
暫し綺麗な海と戯れ元気百倍となったゲンキンな私、再び村落に戻ってみることにした。
その模様は  ま た つ ぎ で

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沖縄・八重山旅行記(波照間編・其の五)日本最南端の碑へ。

さてさて。

今日はいよいよ、波照間に行ったら必ず行かねばならぬスポット、日本最南端の碑をご紹介しよう。
なんといってもこの碑、なんと!波照間にしか存在しないのである。
(当然です)

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星空観測タワー。
月曜日、年末年始以外であればいつでも星を観測することができるそうである。
いつか島に宿泊することがあれば是非行ってみたい。

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いよいよ入口へ。

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碑まで続く謎の物体。
石で囲われた空間内に形、色とりどりの石が埋め込まれていた。
その部分をよく見ると、「大阪」「東京」などといったプレートがある。
どうやらこれ、日本地図を模しているオブジェ?であるらしい。
前衛的過ぎておばちゃんにはよう分らんわ。


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おっ、これが最南端の碑か?
と思いきや違った。
(結局、なんだったのかすら忘れているし)
恐らく意図的なデザインなのだろうが、三角形のてっぺんが不自然に欠けているのが気になった。

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おおっ、これこそ本当の最南端の碑だ!

…と思ったが、よく見るとこれ、「日本最南端平和の碑」と書いてある。
立派な碑だが最南端の碑そのものではないらしい。

じゃあ本物の碑はどれなのよ、というと…




2

「平和の碑」に比べればえらく地味だが、ま、行ってみよう。

かくして…



3

不肖私、遂に日本最南端の地に到着したのでありました。
ぱちぱちぱち。

しかし。この碑について一つ気になったことがある。
それは、

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ということである。
苟も最南端の碑であれば、もっとなんというかこう、なんたら流とかの流麗たる筆跡で墨痕淋漓と書かれていてもよさそうな気がするのだが如何。
ま、この素朴さ加減が最南端ぽいっちゃぽいのかもしれないが…

 つ づ く よ ん

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沖縄・八重山旅行記(波照間編・其の四)展望台やらなんてことない道やら。

さてさて。

命からがら(嘘)浜シタン群落を抜けだし再び車に戻った私、次なる目的地に向かった。

…と、その前に、こんなものを発見したので立ち寄ってみることにした。

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これは巨大なプリン、ではなく展望台である。
その名も「底名溜池展望台」。

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その名の由来は、背後にこのような溜池があることに依るらしい。

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展望台からの景色。
ここから先には日本の(有人)領土はないのであるな。

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方角を変えてもう一枚。
私のこの日の愛車も映っている。

正直、展望台という割には昼間の眺めはさほどでもなかったが、後で調べてみるとどうやらここは穴場の星空スポットであるそうな。
確かにここには遮るものも、光を発するものも存在しない。
いつか、はいむるぶし(南十字星)が見られる1月~5月頃に来ることがあったならば、この島で一泊して天体観測するのも悪くないと思う。
しかし、夜中にここに辿り着くのは至難の業であろう。
なぜなら、辺りには電灯ひとつないこの一帯は、夜には鼻を抓まれても分らない程の闇に包まれると思われるからである。
だからこそ光害皆無で星空ウォッチングにはうってつけなのだが…

暫しなんにもない展望台でぼーっとした後、再び車を走らせた。

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こんな道をのんびり20km/h位で走る訳である。
私の前に車なく、私の後ろに車なし。
たまに観光客のレンタサイクルが並走する位のものだ。

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さとうきびと碧い海。

レンタカーを借りる時にはいつもCDを持参して好きな音楽と一緒に走る私だが、この愛すべき旧式の軽にはCDなどというハイカラなものはついていなかった。
なんといってもこの車、集中ロックですらなかったのだから。
(それに気付かず、最初は運転席以外のドアロックを全開で車を離れたりしていた)

最初こそCDが聴けぬことにちょっとがっかりしたが、窓全開で(奇跡的にパワーウィンドウではあったのだ)走ると気分は最高。
るんらるんらと自前ミュージックを奏で(鼻歌とも言う)辿り着いた先は…

つ づ く ね ん の ね ん

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沖縄・八重山旅行記(波照間編・其の三)浜シタン群落。

さてさて。

波の荒いニシ浜を後にして向かったのは「浜シタン群落」である。

浜シタンとはミソハギ科の常緑低木で、和名を「ミズガンピ」という。
沖縄から熱帯アジア、オセアニア、ポリネシア、アフリカに分布し、海岸の隆起サンゴ礁上に生息する。
盆栽の材料として珍重され乱獲された結果数が少なくなり、今では天然記念物に指定されているとのこと。
この群落では樹齢数百年にもなる浜シタンを見ることができるらしい。

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群落への道。

矢印があったのでそのまま突き進んでいくと…

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これはやばいかもしれない、と思い始めた。
この後はもっと酷いジャングル状態で(とてもじゃないが写真を撮る余裕はなかった)、どれが貴重な浜シタンなのだかさっぱり分らなかった。
草や枝を掻き分け掻き分け、ひいひいいいながら歩いていくと…

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海だー!
海が見えたぞー!!

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そこには、まるで秘密の入り江のような風景が広がっていた。

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向こうにはぺ浜(南浜)が見える。

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因みに、噂の浜シタンとはこの樹木である。
樹高はさほど高くはない。
葉っぱもちんまりしていて可愛いものだ。

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花も白く可憐であった。

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秘密の入り江、その2。
此方は比較的こじんまりしているので、ボートなどを隠しておくのによさそうである。

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やどかりさん発見。

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浜シタン群落記念碑?発見。
「長年の風波に鍛えられ逞しく生き抜いて」云々とあるが、この碑も相当逞しく生き抜いてきたとみた。
天然記念物(但し市町村レヴェルだが)に指定されたのは今から37年前の1972年なのだそうな。

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岩場を荒々しく食む波に海を暫し眺め、さて引き返そうとしたところ…
あ、あれ??













帰り道分んないんすけど












何せ夢中でジャングルを抜けてきたので、振り返って自分がどこから来たのか探そうとしてもどの茂みもみな同じに見えてしまうのである。
こ、これはまずい。
思わず携帯を確認したところ、なんとアンテナ一本しか立っていないではないか。
これでは電話もかけられそうにない。
いや、そもそも携帯が通じたところでどこにSOSをすればよいやらも分らない。
やはりここは自力で脱出せねばいけないようである。

とかなんとか焦りまくって帰り道を探したのだが、なんのことはなく、直ぐに来た道(というにはワイルドなものであったが)を見つけ無事生還できたのであった。

お前オーバーなんだよ、というつっこみは敢えてお受けしつつ
 まだまだ つ づ く よ

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沖縄・八重山旅行記(波照間編・其の二)波照間到着。先ずはニシ浜へ。

さてさて。

8時20分に出港した我が「高速船ニューはてるま」は、散々前評判で聞いていた揺れもなく、実にスムーズに定刻9時20分に波照間に到着した。

港に待っていたのは「昴レンタカー」のおじさんであった。
いつぞやこの記事に書いたとおり、前日の竹富にて体力の限界を感じたヘタレの私は早々にレンタカーを借りることを決め、竹富から予約を入れておいたのであった。
後になって考えるとこの決断は我ながら英断であったのだが、ま、その話はまた後ですることとしよう。

おじさんに軽自動車を借りたのち、いざ出発。
まず目指すは、この島に来た目的の70%以上を占めるといっても過言ではない「ニシ浜」である。
ニシ浜は「ニシ」と云えども西に位置するのではなく、島の北側にある。

ここで少し脱線をば。
ご存知の方も多いかとは思うが、沖縄では東西南北を以下のように記述する。

東:アガリ
西:イリ
北:ニシ
南:ペー、またはフェー(八重山では「ハイ」「パイ」)

東と西は分りやすい。
即ち、太陽が昇ってくる方角が「アガリ」で、沈む方角が「イリ」である。
南のペーやフェー、はたまたハイは大和古語の南風(はえ)を語源とするようだ。
北のニシには諸説あり、
・古(イニシ)説:先祖の方角(沖縄では北、本土では西)を示す
・風の名説:冬季に吹く風の名。
この風は九州から南下するにつれて西から北へ吹く方向が変わるため、ニシ=北となった
という説が有力である、そうな。

閑話休題。
ニシ、つまり北に位置する波照間のニシ浜は八重山屈指のビーチとして名高い。
どきどきわくわくしつつ、カメラを抱え浜に降り立った私を待っていたのは…

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うぎょー
(悶絶)

今こうやって己の撮った写真を見るだけでも興奮して鼻血が出そうである。
#出すな。
兎にも角にも、皆の者、これが日本最南端のビーチ様であらせられる。
控えい控えい。

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うきゃー。

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むきょー。

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んぎゃー。

(うるさいよ)

とまあ、斯くの如く性懲りもなく同じような写真ばかりをばしゃばしゃ撮影しては、うっとり溜息をついていた気持ち悪い三十路ミドルだったのであった。

#余談だが、この一連の写真を某院生くんに見せていた際、

「あー、なんか同じような写真ばかりだねー。
ごめんねーごめんねー」

と連呼していた私に、彼はひとこと

「でも、ぴこらさんはこの風景を見てそれだけ何枚も撮りたいって思ったってことでしょ?
僕だってこの景色見てたら死ぬほど写真撮ってたと思うなあ」

と言ってくれたんですのよ奥様!
(いきなりテンションヒートアップ)

いやー!
あんたはよう分ってる!
ええ子や!!

と抱きつきたい衝動に駆られたが、逆セクハラで訴えられると困るので自粛した。
#とはいえ、ええ「子」としか思えぬのが年の悲しさですが。

でも、全くもってそうなの。
これだけの枚数を撮ったのはその場では必然なの。
この景色を実際目前にしたら、何枚撮っても撮っても撮りきれないと思ってしまうの。
まこと、海フェチは困ったものである。

さてさて。

ここまで夢中になってばしゃばしゃ写真を撮っていた私だったのだが…

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綺麗な風景であるが、少し気にかかるところがある。

もう一度見てみよう。

1

そうなんである。
この時間(午前)、ニシ浜の波はものすごく荒かった。
中には果敢に海に入ってらっしゃる方も数名おられたが、遠目で見てもかなり難儀しておられる様子であった。

うーむ。
この綺麗な海の洗礼は受けたいがこの波ではなあ…
躊躇していると、地元のおじさんと思しき方がてくてくと歩いてこられた。

「おねえさん、写真撮ってるの?」

「は、はい。」

「いやー、今日は波が荒いねえ」

「…地元の方でもそう思われます?」

「いやー、今日は特に荒いよ」

「…そうですか。
これって泳げますかねえ?」

「泳ぐ?
あー。無理無理。










死ぬさー」








#断言きました。


「でも、あそこの人たちは泳いでますがねえ…」

「あー、あれね。













死ぬさー」









#またもや断言きました。


まだ死ぬのは厭な私、この浜にはまた後で出直すことにして他のポイントに向かうことにした。
その模様は ま た こ ん ど

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沖縄・八重山旅行記(波照間編・其の一)石垣より1時間かけて渡航する。

9月7日(火) 波照間;晴れのち曇りのち晴れ

この日は波照間渡航の日。
波照間へは波照間海運と安栄観光が運行しているのだが、船の規模は波照間海運の方が大きいらしい。
だが、それでも竹富便等に比べキャパが小さいので予約をするほうが望ましい、とガイドブックには書いてあった。
なので、事前に大阪から電話をしたところ、電話での予約は受け付けておりませんとのことであった。
HP(リンク先参照)には麗々と

「高速船ニューはてるまのご予約は、ご乗船予定日の 1ヶ月前よりお電話でお問合せください」

と書いてあるのに、これは一体どういうことだ。
しかもその下にはご丁寧に

「なお、離島ターミナル営業所への 電話番号のかけ間違いにご注意ください。
弊社では離島ターミナル開港時より上記の電話番号を使用しております」

とまで書いてあるのに、訳が分からない。

とまあ、そうは云えども先方が駄目だというものは仕方がないので、渡航予定の前々日に直接窓口に行ったところ、受付は既に終了していた。
なんでも受付時間は午前9:00-11:00、午後2:00-5:00とのこと。
んまあ~(ここ、鼻にかけてご発音下さい)随分と大名商売なことね。
とヤマトンチュは嫌味の一つも言いたくなってしまったが、ま、これが島時間のオフィスタイムって奴なのかもしれない。

てな訳で予約ができなかった私、結局当日乗船予定便出発時刻の30分前にターミナルに向かった。
流石にこれだけ早く出ておけば余裕で乗れるだろう、と思ったのだが、この時間で既に窓口に長い行列ができていたのには吃驚した。
やばいなあ。こりゃ、乗れないかもしれない。
とどきどきしつつしんがりに並んだが、そんな心配はご無用、あっさり切符を買うことができた。
後に乗船した際も船内には相当数の空き席があったので、やはり予約せねば云々というのは大袈裟であるらしい印象を受けた。
(但し、ハイシーズンはその限りではないかもしれない)

さてさて。
石垣~波照間間の所要時間は1時間である。
昨日渡った竹富の10分とは大違いだ。
しかも、この海路は波が荒くかなり揺れるらしい。
故に少しでも海が荒れると欠航になってしまうのだそうな。

乗り物には滅法強く、がっすんがっすん荒れるグレートバリアリーフへの船便(所要は1時間半ほどであったか)でも甲板をうろうろしまくったり、お菓子をぼりぼり食べたり、ミスタービーンをぼーっと眺めたり(あれの面白さはよく分らんのです)していた私は今回も大丈夫だよねー、とたかをくくっていたのであったが、直前になりやっぱり念のため飲んでおこうかなあ、と酔い止めの薬を服用した。


思えば、あれがよくなかった。
この薬、及び他の要因により、この後私は大変な目にあったのである。
それはなにかといいますと。(いいますと!←相の手)
次 回 以 降 に お 話 し し ま す ~

#今回は写真もなしでごめんやしやー。

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沖縄・八重山旅行記(石垣の夕ごはん)・焼肉を食す。

さてさて。

竹富から戻ってきた私であったが、いったんホテルで身支度を整え、再びカメラをひっさげて石垣の街へと繰り出した。
次なる目的地は余りにも有名な焼肉屋さん「やまもと」である。

このやまもと、食べログで4点台と離島としては驚異の点数を叩き出している。
旅行の2週間ほど前に予約の電話を入れたのだが、これほど日程に余裕があるしまあ大丈夫だろうと思いきや、
「もう殆ど空きがありませんので、1時間限定となりますが宜しいでしょうか?」
と言われ吃驚仰天したものであった。
それほどまでに人気がある石垣牛焼肉とは、一体いかほどの美味なのだろうか。
わくわくしつつ暖簾を潜った。

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まずはナムルを注文。

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…げ。
多い。
(当たり前)

どうもこういうのって量の感覚が分からんのですよね。

そして、お次は名物だという上ハラミ。

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これはねえ。
もうねえ。
私の今まで食べた、どの焼肉(ジャンル問わず)よりも美味しかった!
(ま、そもそもそれほどお高い焼肉を食べたことがないのですが)
本当に噛みしめれば噛みしめる程にくーっ!っていう味わいなのだ。
#ボキャブラリーが貧困すぎます。
これは是非もう一度食べたいわあ。

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ホルモン盛り合わせ。
これもまたどれもこれも美味しいんだ。
ミノは大して好きでもなかったのだが、ここのものを食べて少し考え方が変わった。

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塩バラ。
これは焼肉ではなく、茹でたてのお肉をチシャ?に包んでいただく。
焼肉に飽きてきた時にはもってこいだ。
お肉もぷりぷりで旨味たっぷりだった。

でも。

でもね。






お腹いっぱいで死にそうになりました









やっぱ一人焼肉はだめね。うん。
いや、別に寂しくとかはないんだけど、種類が食べられないというのは辛いものがありますわ。
そのことは一人居酒屋でもしょっちゅう痛感するところではあるのだが、モノが焼肉だとその悔しさ、無念は倍増である。
結局食べきれなかったナムルはお持ち帰りにしてもらったのであった。

次の日に つ づ く よ

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