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昨今の若者の恋愛事情。(なのかなあ)

今春、久方ぶりにうちの研究室にニューフェイスが登場した。
いや、正しくは「日本人の」ニューフェイスと言うべきかもしれない。
#うちは兎に角とつくにの方が多い研究室なのだ。
3月で巣立っていった菊川さん(仮名)の代わりにやってきた彼女、名をこまちちゃん(勿論仮名)という。
これからちょこちょこ登場するかもしれないので、以後お見知りおき頂ければ幸いである。

さてこのこまちちゃんであるが、一言で言うと「ぶっとび娘」である。
死語かもしれぬが、これ以上彼女を現すのにぴったりな言葉を思いつかない。
どれくらいぶっとんでいるかというと…

・お偉いがたが並みいるレセプションにて。
お偉いがスピーチしている間、出席者全員が直立して拝聴している中一人ひたすら立食プレートのフルーツバスケットの中のイチゴだけを手づかみで貪り食べていた

・彼女の余りのゴーイングマイウェイぶりを心配した先輩の男の子が、他の研究仲間を紹介してあげようとランチ会を企画した。
ところが彼と共にその会場に向かう途中、猫をみつけ

「わー、にゃんこだー♪」

とにゃんこを追いかけそのまま遁走。
先輩男子はそのあと仲間に弁明するのに四苦八苦したそうな。

・研究室前廊下で豪快にすっころぶ(しかも一度や二度ではない)
その度にこの世の終わりのような悲鳴を上げるので、我々のみならず他の研究室の人も皆すわ何事かと廊下に飛び出していくのである。

とまあ、これらはまだまだ所業の氷山の一角ではあるが、これだけでも彼女の大物ぶりというかなんというかがお分かり頂けるかと思う。
(某大混声合唱団OB/OGの方々へ私信:
私は彼女を見るたびに某S子さんを思い出します。
こういえば彼女、こまちちゃんの人となりが分かって頂けるのではないかと愚考する次第であります)

とまれ。
先日、そんな彼女、及び研究室メンバーとのんびりお茶をする機会があった。
話はいつぞやガールズトークにありがちな恋愛話になったのだが…

「あのですね。
私、恋愛関係でうじうじ悩んだりするの、嫌いなんですよ」

突然こまちちゃんがそんなことを言い出した。

「う、うん。
だれでも本当は嫌いだと思うけど、そうはいってもなかなかうまくいかないもんなんじゃない?」

「いえ。私はどうしたっていつもはっきりさせます」

「ふーん。例えば?」

「例えばですね。
私、ちょっと前に好きな人がいたんです」

「ふむふむ」

「でも、相手は私のことを好きではなかったんです」

「ふーむ」

「で、はやくケリつけたくって、家に乗り込んでいったんです」

「…」

「丁度旅行に行った後で、土産があったんでそれ持っていったんです。
ドアベル鳴らしたけど出てこないんで、ドアどんどん叩いて

『私!こまちやねんけど!
いるんでしょ?ちょっと用事あるから出てきて!』

っていいました」

「……」

「で、出てきたんで家に上がりこみました」

「…アポはとってたの?」

「いえ!」

「…あっそう」

「で、

『土産だ!食え!』

っていってまずお土産を渡しました」

「…うん」

「で、おもむろに

『ちょっと話あんねんけど』

と切り出しました」

「うんうん」(←呆気にとられつつ興に乗ってきた)

その後、こまちちゃんによると以下のようなやりとりが繰り広げられたらしい。

「私さあ、好きな人いるんやけど」

「…うん」

「それさあ、あんたやねんけど」

「…うん。うすうす気づいてた」

「でもさあ、あんた私に気はないやろ?」

「…ごめん」

「そしたらさあ、ちゃっちゃとここで振って」

「…?」

「私もいつまでも引き摺るの嫌やねん。
まどろっこしいから、今はっきり振ってや」

「…え。
えーっと…
…じゃあ、ごめんなさい」

「よっしゃ。
そしたら今からあんたと私は友達な」

「…うん」

「でさ、話変わるねんけど今度の授業の課題やねんけどさあー(以下略)」

とまあ、それからは何事もなかったのように雑談を続けたのだそうな。

「…で、こまちちゃん。
それからその彼とはどうなったん?」

「えー?
勿論、今でもいい友達ですよ♪」

「…そっかあー」

「そういえば先日、逆のパターンもありました」

「逆?」

「ええ。
私、コクられたんですよ」

「ええー?すごいじゃない」

「けどどうしても友達としか思えないんですよねえ、そいつは。
コクられた時には『暫く考えさせてほしい』っていったんですけど、考えた結果やっぱり友達としてしか付き合えないなあと思ったんです」

「そっか。じゃあしょうがないね」

「でもそいつ、コクってから一向に私の前に現れないんです」

「…はあ」

「考えた結果を私に聞くわけでもなし」

「…それは、聞くのが怖いんだろうねえ」

「でもね。
こっちはなんかまどろっこしくてイライラしてたんですよ。
で、私、そいつを呼び出したんです」

「…どこに?」

「学校にです」

「そっか。一瞬体育館の裏かなんかかと思っちゃった」

「へ?なんでですか?」

「いえいえなんでもありません。
で、彼は来たの?」

「はい来ました。
『こまちさんから声かけてきてくれるなんて…』とかいってました」

「うーん、そやつもコクっといてちょっとヘタレやね」

「で、私こういったんです。

『私、あんたとは付き合われへんけど友達としてやったら付き合ってもええと思ってる。
でも、今みたいに私を避けるんやったら友達としても付き合われへんわ。
付き合い自体を0にするんか、それともいい友達として付き合っていくんか、今どっちか返事してんか』

って」

「なかなかオトコマエやね」

「それで、奴は

『じゃ、じゃあ友達としてお願いします…』

といいました」

「こっちはなかなかヘタレやね」

「でも彼とは今すっごくいい友達です♪」

「…それはよかったねえ…」

さて。
こういう恋愛事情、今の若人では当たり前の話なのか、はたまた彼女のパーソナリティに依る特殊なものなのかは私には判断しかねる。
勿論、こまちちゃんもこういう口調でさばさばした女を演出しつつ、その実心中ではいろいろ思い悩んではいるのだろうが、にしてもここまで相手に対してさばさばできるというのは大したものだと思う。

しかし、逆に言うとここまでさばさばできるというのは、彼女がまだ本物の恋をしていないからなのかもしれない。
命短し、恋せよ乙女。
まだ若いこまちちゃんには、これからどんどんいい恋をして頂きたいと思う。
おばちゃんはいつでも相談にのったげるよ。うふ。
#こういう話、大好物です。
##なんせおばちゃんだし。

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