食洗機買いました。(その2)
おお、ちゃんと続いたじゃん。えらいえらい。
とまあ自分で自分を褒めるのはここまでにして、前回の続きである。
そんなこんなで我が家にやってきた東○の食洗機。
その日の晩、早速初働きをして頂くことにした。
「…なにこれ。
こんな大きい図体して、意外と入らんもんやねえ…」
この嘆き、食洗機を買われた方なら一度は呟かれたのではないだろうか。
デカい皿はNG。
鍋なんて論外。
フライパンなんてもっての他。
「こんなん、買った意味あったのかしらん…」
後悔し始めた母を宥めつつ、とにもかくにも頭を使ってパズルの如く食器を納め、さてスイッチオンした。
「これでぴっかぴかになるわよ」
「まあ、ちまちました食器を洗わなくて済むだけでもいいかもねえ」
そして翌日。
「ちょっとぴこら!これ見てよ!!」
朝起きてきた私は、いきなり鼻の先に皿を突き付けられた。
「…?」
「汚れ、ぜんっぜん落ちてへんのよ」
確かに、その皿には昨日のおかずの残滓と思しき食べ物カスがうっすらついている。
「ぜんっぜんは言いすぎやけど、確かに落ちてないねえ…
もう少し余洗せんとあかんのかしらん?」
「そんなんやったら意味ないやない!」
「まあ確かに…
でもまあ買ったばっかりだし、コツもあるかもしれへんし、もう少し様子みたら?」
とその場はおさまったのだが…
その後、出勤して仕事をしていると、昼間に家から電話がかかってきた。
とある事情により家からの電話に対して敏感になっている私、慌てて電話に出た。
「もしもし母。どうしたの?」
「あの食洗機のことやねんけど」
「(がくーっとしつつ)…なんなの?」
「返品しようと思うねん」
「え」
「だってさ。
さっき、ご飯食べたあとのお茶碗、結構丁寧に濯いで入れたのよ。
勿論ご飯粒なんて残してないのよ。
それが出てきたときにはごはんのデンプンが膜になってうっすらついてんの。
こんな使えない食洗機、もう我慢できないわよ」
取り寄せて取り付け工事(この額も馬鹿にならない)までして設置した食洗機。
しかも使用済みの食洗機。
そんなもの、ほいほい返品できるものなのか。
「…で、ヤ○ダには言ったの?それ」
「言うたった言うたった」
#若干誇らしげである。
「…で、何て?」
「交換してくれるって」
「え。何と?」
「ナ○ョナル(つまり、パ○ソニック)のと」
「…え」
「ナ○ョナルのやつのほうがちょっと高かったからその分の差額は払えって言われたけど(当たり前である)、後は手数料も取り付け費用も要らないってさ~♪」
「…」
やっぱすげえわ、うちの母。
てな訳で東○さんの食洗機はお払い箱となり、代わりにナ○ョナルじゃなかったパ○ソニックの新顔がやってきたのであった。
でも、メーカーが変わっても食洗機は食洗機。
どのみち一緒じゃないの?
と懐疑的な私であったが、それが大違いだったんですねえ。
今度のコはスタンダードな煮物鉢から、難易度高めのソースで汚れたお好み焼き皿まできれいさっぱり洗い流してくれるのだ。
勿論余洗は必要だし、鍋などの焦げつきなどには手も足も出ないが、これだったら必要条件レヴェルは十分満たしてくれている。
いやあよかった。
流石はあっかるーいナ○ョナール♪みんなーのナ○ョナール♪なのである。
#歳ばれまんな。
注;あくまでも東○さんのものは不幸にも「我が家で」相性が悪かっただけだと思います。悪しからず。
とまれ。
これにて家事担当の母の負担は大幅減と相成った。
てくのろじーというのはありがたいものですな。
…でもねえ。
昔々、高校生の頃、犬養道子さん
(かの犬養毅の孫にて著名なソーシャル・ワーカー、作家)
のドイツ生活を綴った著書を読んだのだが、
そこで紹介されていたドイツの「スタンダードな」食洗機ってのがもう夢のような機械だったのだ。
なんでもその食洗機、欧風料理のあのこってりとしたソースがこびりついた皿のみならず、そのソースが焦げてこびりついた鍋までも余洗なし(!)でぴっかぴかに洗いあげるというツワモノなのである。
いや、それだけではない。
それらの汚れ満載の食器に加え、繊細極まりない薄手のワイングラスを一緒に入れておいても全く問題なく、こちらも涙のようなしみ一つなくぴっかぴかに磨き上げてくれるのだというから驚くではありませんか。
犬養さんのこの著書が世に出たのは、実に40数年前である。
その頃のドイツの食洗機は既にこのような神の域に達していたにもかかわらず、21世紀になっても未だ日本が世界に誇る電機メーカーの食洗機は
「余洗したらなんとかきれいになります」
というレヴェルだ、というのはいかにも情けない。
もっと「キカイ」の名に相応しい、目の覚めるようなすんばらしい食洗機を作ってくださいな。
メーカーさん。
#しかし、今のドイツの食洗機は一体どこまでのレヴェルに達しているのであろうか?
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