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これさえあれば、ごはん3杯。

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例えば、旅館の朝食のラインナップ。
朝から小皿や小鉢がちょこちょこと並んでいて豪勢なものであるが、よく見るとそれらの中身は殆どが「ごはんの友」である。
佃煮の類に塩魚の焼いたもの、生卵に納豆に海苔などなど。
量こそ多くはないものの、どれもこれもごはんが進むものばかりだ。
お陰で旅先の朝はごはんを食べに食べてしまい、お腹がいっぱいで昼ごはんが入らないなんてことも多い。

しかし旅館の朝にこれだけごはんを食べてしまうのは、勿論これだけの数多くのおかずがあってこそのことである。
そこで、一品でごはん3杯いけてしまうごはんの友とはなんだろうかと考えてみた。

まず真っ先に思いつくのは明太子である。
稚加榮のものなどが好ましい。
程よくピリ辛でふっくりと膨れた見目良い明太子と炊き立てのほかほかごはんの取り合わせは、人類の叡智と云っても過言ではないであろう。

そして大阪人といったら忘れてはならないのが塩昆布。
どちらかというとお茶漬けに入れるのが好みではあるが、炊き立てごはん単体に乗せて食べるのもなかなか乙なものである。

あと、長野にいって嵌りに嵌ったのは野沢菜漬け・山葵風味である。
野沢菜のしゃきしゃきした歯触りとぴりっとした山葵の風味が堪らない。
醤油をちょっと垂らしてごはんと共に掻きこむと旨いものだ。

ここまで書いてきて、ふと、獅子文六氏が

「旨い酒の肴は、悉く旨いごはんの友となる」

といった類のことを書き残しておられたのを思い出した。
(逆だったかもしれないが、ニュアンスは変わらないであろう)

まずは肴として酒を飲み、いいところでごはんに切り替えそのままごはんの友として賞味する、というのは如何にも昔の酒飲みらしくてよい。
この点、酒の〆に炭水化物を取る習慣のない私は、そのまま延々と飲み続けて大酔してしまったりするのでいけない。
〆というのは酒の区切りとして案外重要なのかもしれないなとも思う。
カロリー過多は気になるところではあるけれど…

とまあ、ごはんの話が結局お酒の話になってしまったところで終わりにしておこう。
ごはん3杯もいいけれど、メタボリックにはくれぐれもご注意あれ。

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